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サメの生態をわかりやすく

クロヘリメジロザメの生態、特徴、大きさ、分布、生息域、危険性は?水族館にいるの?

2023年1月27日

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クロヘリメジロザメの生態、特徴、大きさ、分布、生息域、危険性は?水族館にいるの?

アクアワールド茨城県大洗水族館でおなじみのクロヘリメジロザメ。
このブログでは、クロヘリメジロザメの特徴などを解説します。

クロヘリメジロザメとは

クロヘリメジロザメは人食いサメ?危険性、特徴、大きさ、生息地、日本の水族館にいるの?

まず、クロヘリメジロザメの基本情報を紹介します。

基本情報

クロヘリメジロザメ(学名:Carcharhinus brachyurus 英語名:Copper shark)は、メジロザメ目(Carcharhiniformes)メジロザメ科(Carcharhinidae)メジロザメ属(Carcharhinus)に属するサメです。

標準和名
クロヘリメジロザメ
別名
-
英語名
Copper shark、Bronze Whaler Shark
学名
Carcharhinus brachyurus
分類
メジロザメ目(Carcharhiniformes)メジロザメ科(Carcharhinidae)メジロザメ属(Carcharhinus)
命名された年
1870年(アルベルト・ギュンター)
保全状況
絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)
ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ(2022年採択)
最大全長
325cm
シャークアタックの回数
15件のサメ事故(1580-2023年)
サメの攻撃が原因の死亡事故
1件のサメによる死亡事故(1580-2023年)
危険度
水族館で会える可能性
ペットとして飼育できる可能性

クロヘリメジロザメと人間との関わり

クロヘリメジロザメははえ縄と刺し網などによって漁獲、または混獲されています。
一度に産む子ザメの数は7〜20匹、繁殖周期は2年に一度なので漁獲圧力に対する回復力が低いサメです。

個体数

クロヘリメジロザメの個体数は、南オーストラリアで62.6%の減少があったと推定されています(Huveneers et al. 2020)。一方、オーストラリアのそのほかの地域では、ニューサウスウェールズ州の一部を除いて安定しているようです。
カリフォルニア湾で増加の可能性があり、ニュージーランドでは増加または安定、南西大西洋、北西太平洋、ペルーで減少の可能性があるとのこと。
これらの地域差には不確実性が大きいものの、IUCNは予防的な観点から、生息範囲のほとんどで過去3世代(71年)に30〜49%の個体数減少が起きたと推定しています(Huveneers et al. 2020)。

保全状況

クロヘリメジロザメは絶滅危惧種?

クロヘリメジロザメはIUCNレッドリストで絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)と評価されています。

絶滅 絶滅危惧種 絶滅リスクは低い
1.絶滅(EX) 2.野生絶滅(EW) 3.深刻な危機(CR) 4.危機(EN) 5.危急(VU) 6.準絶滅危惧(NT) 7.低懸念(LC)
どこにもいない
ほぼ絶滅
かなりやばい
やばい
やばそう
そろそろやばい
今は心配なし
メガロドン  - ヨゴレ、シロワニ、アカシュモクザメ アオザメ、ニタリ、レモンザメ オオメジロザメ、ホホジロザメ、クロヘリメジロザメ イタチザメ、ヨシキリザメ ネコザメ
 -  - イリオモテヤマネコ、ラッコ トキ、トラ パンダ トド  -
 -  -  - ニホンウナギ クロマグロ  - ブリ

※この他に、データ不足で正しく評価できない情報不足種 (DD / Data Deficient)、まだ評価がされていない未評価種 (NE / Not Evaluated)というふたつのカテゴリーがあります。
※IUCNレッドリストでは、未評価種 (NE)、情報不足種 (DD)、低懸念(LC)、.準絶滅危惧(NT)、絶滅危惧種(危急、危機、深刻な危機)、野生絶滅(EW)、絶滅(EX)の9つのカテゴリに分類しています。
※レッドリストについては『【2025年12月版】絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ』で解説しています。

クロヘリメジロザメの個体数の動向については不透明な部分もありますが、おそらく減少傾向にあるだろうということから、IUCNレッドリストではクロヘリメジロザメを絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)と評価しています。
IUCNレッドリストに掲載された理由は予防原則(不確実だが未来への危機を予測して予防すること)に基づいているようです。

【2025年12月版】絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ

ワシントン条約(CITES)

ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ(2022年採択、2023年11月25日発効)

2022年11月、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)第19回締約国会議(CITES CoP19)で、メジロザメ科のサメを附属書Ⅱに一括掲載することが提案され、採択されました。掲載は12か月の猶予期間を経て、2023年11月25日に発効しています。
クロヘリメジロザメは、メジロザメ目メジロザメ科に属するサメなので、ワシントン条約によって国際取引が規制される対象になりました。

この記事を書いた当初(2023年)は、日本がこの決定を留保するとみられていました。しかし実際には、日本はCITESの海産種規制に一貫して反対しつつも(笹川平和財団 海洋政策研究所 2023)、メジロザメ科で留保を付けたのは同じ会議で附属書Ⅱに掲載されたヨシキリザメのみで、クロヘリメジロザメは日本の留保対象に含まれていません(JWCS)。そのため、クロヘリメジロザメの国際取引には、日本にも輸出許可などの規制が適用されます。

ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について

危険性

危険度
シャークアタックの回数
15件のサメ事故(1580-2023年)
サメの攻撃が原因の死亡事故
1件のサメによる死亡事故(1580-2023年)

インターナショナルシャークアタックファイルによると、クロヘリメジロザメはシャークアタックの回数が15回、そのうちの1回は致命的な事故となっています。
メジロザメによるシャークアタックは専門家ですら確実な答えを出すのは難しいため、もしかするとクロヘリメジロザメによるシャークアタックはもう少し多いのではという指摘もあるようです。
インターナショナルシャークアタックファイルによると、1.8m以上の大きさのサメのほとんどは人間にとって潜在的な脅威があるとみなした方がいいとのこと。
その理由は人食いザメだからということではなく、ただ噛み付いただけだとしても、サメの顎の力と鋭い歯は大けがにつながる可能性が高いからです。

クロヘリメジロザメの生態

クロヘリメジロザメの生態について解説します。

見た目の特徴(形態)

クロヘリメジロザメは人食いサメ?危険性、特徴、大きさ、生息地、日本の水族館にいるの?

  1. 鼻先が尖っている
  2. 背中が濃いめのブロンズ色
  3. お腹が白い
  4. 無機質な瞳
  5. 胸ビレがやや長く、先端が黒い
  6. スマートな体つき

瞳はやや大きめで白目の部分がくっきりとしています。
泳ぎが上手なサメで水族館の水槽ではすいすいと泳いでいますが、ガラスにぶつかる気配はありません。
名古屋港水族館によると、クロヘリメジロザメはメジロザメの仲間の中ではせまい水槽でも壁やアクリルガラスにぶつからずに上手に泳ぐことができるとか。

クロヘリメジロザメの体の色

クロヘリメジロザメは人食いサメ?危険性、特徴、大きさ、生息地、日本の水族館にいるの?

クロヘリメジロザメは英語名Copper sharkの名のとおり、濃いめのカッパーブラウン色をしています。

分布域と生息域

分布域
太平洋、インド洋、大西洋の亜熱帯から温帯域
日本国内での分布域
鹿島灘(茨城県大洗岬から千葉県犬吠埼)、房総半島東岸、相模湾、新潟県柏崎沖、有明海、内之浦湾、九州太平洋沿岸から南岸など(p.25)、熊本県天草沿岸大島・波浮口
生息域
浅い湾から大陸棚
水深
0~145m

分布域

クロヘリメジロザメは世界各地の暖かい温帯・亜熱帯の海域に分布していますが、その分布域は点在しているようです。
そのため、地域によって成熟年齢が異なる場合があります。

生息域

クロヘリメジロザメは、沿岸部や汽水域に生息しています。
0〜145mまでの浅い水深を好むようです。
子ザメたちは水深30m未満の沿岸水域に生息しています。

大きさ

平均的な大きさ
200〜250cm
最大全長
325cm(まれに350cmの記録あり)

※IUCNレッドリスト(Huveneers et al. 2020)やFishBaseは最大全長を325cmとしています。オーストラリア沿岸では、まれに350cmに達した記録もあります(Last & Stevens 2009)。

体重
304.6kg

日本国内での分布域

クロヘリメジロザメの日本国内での分布域は、鹿島灘(茨城県大洗岬から千葉県犬吠埼)、房総半島東岸、相模湾、新潟県柏崎沖、有明海、内之浦湾、九州太平洋沿岸から南岸など(p.25)、熊本県天草沿岸大島・波浮口です。
アクアワールド茨城県大洗水族館で展示されているのは地元の大洗沖からきたクロヘリメジロザメの子たちです。

寿命

最大寿命
30〜31歳

※脊椎の年輪から推定された最大年齢は、南オーストラリアでメス31歳(Drew et al. 2017)、南アフリカでオス30歳(Walter & Ebert 1991)です。サメの年齢は過小評価されやすく、実際の寿命はこれより長い可能性があります。なお、一部の一般向け資料では最大34.5歳とする記載もあります(Animal Diversity Web)。

ライフスタイル

泳ぐ速度
- キロ
性格
やや攻撃的
1年の過ごし方
回遊性で春~夏に北上し、秋~冬に南下
好きな食べ物
イカやタコ、イワシ、ボラ、ヒラメ、エイや他のサメ

クロヘリメジロザメはイワシの群れを襲う姿が目撃されているので、イワシが好物なのかもしれませんね。

繁殖

繁殖方法
胎生(胎盤)
妊娠期間
12ヶ月
一度に産む数
7〜20匹
子ザメの大きさ
約59〜70cm
繁殖サイクル
2年に1度
成熟年齢
オス:13〜19歳、メス:20歳前後
成熟サイズ
オス:全長206〜235cm、メス:全長227〜244cm

クロヘリメジロザメを水族館で見たい

クロヘリメジロザメは人食いサメ?危険性、特徴、大きさ、生息地、日本の水族館にいるの?

クロヘリメジロザメはアクアワールド茨城県大洗水族館でおなじみのサメですが、他の水族館では見かける機会が少ないようです。
名古屋港水族館で展示されている2個体はアクアワールド茨城県大洗水族館から譲渡された子たちでトラックで8時間かけて引っ越してきました。
名古屋港水族館の公式サイト「日本の海【クロヘリメジロザメ】」によると、クロヘリメジロザメはメジロザメの仲間の中ではせまい水槽でも壁やアクリルガラスにぶつからずに上手に泳ぐことができるのサメとのこと。
見た目の迫力もあり、美しいサメなので展示する水族館が増えるといいですね。

クロヘリメジロザメを飼育している水族館の一覧

2023年1月時点、クロヘリメジロザメを飼育している水族館の一覧はこちら。

  • アクアワールド茨城県大洗水族館
  • 小樽水族館
  • 名古屋港水族館

※最新の飼育情報については各水族館が発信している最新情報や日本動物園水族館協会の公式サイト内の飼育動物検索でクロヘリメジロ、または学名のCarcharhinus brachyurusで検索してみてください。
また生きものの状態によっては展示してない場合があるので注意しましょう。

サメがいるお店

水族館ではありませんが、福島県いわき市のシーフードレストラン「メヒコ シャークワールド」では店内でクロヘリメジロザメを飼育しているようです。

クロヘリメジロザメの関連ブログ

新入りのクロヘリメジロザメがシロワニにかじられた話など。

参考文献一覧

(1)アントネッラ フェッラーリ、谷内透監修『サメガイドブック―世界のサメ・エイ図鑑』TBSブリタニカ、2001年(初版第2刷)。
(2)スティーブ・パーカー (著)、仲谷一宏 (監修)、 櫻井英里子 (翻訳)『世界サメ図鑑』ネコパブリッシング、2020年(第5刷)。
(3)仲谷一宏『サメ-海の王者たち-改訂版』ブックマン社、2016年(初版第1刷)。 (4)田中彰(監修)『美しき捕食者 サメ図鑑』実業之日本社、2021年(初版第3刷)。
(5)谷内透『サメの自然史』東京大学出版会、1997年(初版)。
(6) David A. Ebert (著), Marc Dando (著), Sarah Fowler (著), Rima Jabado (はしがき, 寄稿) “Sharks of the World” Princeton University Press,2021年
(7)松田裕之『海の保全生態学』東京大学出版会、2012年(初版)。
(8)Florida Museum “DISCOVER FISHES Carcharhinus brachyurus
(9)Fish Base “Carcharhinus brachyurus
(10)Huveneers, C., Rigby, C.L., Dicken, M., Pacoureau, N. & Derrick, D. (2020) Carcharhinus brachyurus. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T41741A2954522. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-3.RLTS.T41741A2954522.en (accessed 2026-07-26).
(11)Drew, M., Rogers, P. & Huveneers, C. (2017) Slow life-history traits of a neritic predator, the bronze whaler (Carcharhinus brachyurus). Marine and Freshwater Research 68(3): 461-472. https://www.publish.csiro.au/mf/MF15399
(12)Walter, J.P. & Ebert, D.A. (1991) Preliminary estimates of age of the bronze whaler Carcharhinus brachyurus (Chondrichthyes: Carcharhinidae) from southern Africa, with a review of some life history parameters. South African Journal of Marine Science 10(1): 37-44. https://doi.org/10.2989/02577619109504617
(13)Animal Diversity Web “Carcharhinus brachyurus (Bronze)” (accessed 2026-07-26).
(14)笹川平和財団 海洋政策研究所 (2023) CITESにおけるサメの保全と持続可能な利用. Ocean Newsletter 第559号. https://www.spf.org/opri/newsletter/559_1.html (accessed 2026-07-26).
(15)野生生物保全論研究会(JWCS)“ワシントン条約” (accessed 2026-07-26).

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シャーク・アクティビストReinoとにゃぶり

シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 海やサメ以外で好きなのは、橋本涼さん(B&ZAI)。海属性の人が好き。

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