ホホジロザメは、世界で最も有名なサメです。平均全長4〜5mに達し、70年以上生きる可能性がある大型のサメです。日本近海でも確認されています。
映画『ジョーズ』の影響から「人食いザメ」「最も危険なサメ」として知られていますが、人間を好んで食べるサメではありません。記録に残っているホホジロザメによるサメ事故は、1580年から現在までで351件です。ただし、大きな体と鋭い歯をもつ野生動物であり、人間にとって危険なことは確かです。
この記事では、ホホジロザメの分類、見た目、大きさ、寿命、繁殖、歯と噛む力、日本での分布、人を襲う理由、保全状況を、学術論文や書籍、国際機関などの資料をもとに解説します。
※この記事は、2026年8月時点で確認できる研究、統計、保全情報をもとに執筆しています。
ホホジロザメとはCarcharodon carcharias 1758年

分類Scientific Classification
ホホジロザメ(学名:Carcharodon carcharias 英語名:Great White Shark)は、ネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属に属する唯一のサメです。
- 界 Kingdom
- 動物界 Animalia
- 門 Phylum
- 脊索動物門 Chordata
- 綱 Class
- 軟骨魚綱 Chondrichthyes
- 亜綱 Subclass
- 板鰓亜綱(ばんさいあこう) Elasmobranchii
- 亜区 Subcohort
- サメ亜区 Selachii
- 上目 Superorder
- ネズミザメ上目 Galeomorphi
- 目 Order
- ネズミザメ目 Lamniformes
- 科 Family
- ネズミザメ科 Lamnidae
- 属 Genus
- ホホジロザメ属 Carcharodon
- 種 Species
- ホホジロザメ
基本情報
ホホジロザメの基本情報を紹介します。
- 標準和名
- ホホジロザメ(頬白鮫)
- 別名
- ホオジロザメ
- 英語名
- Great White Sharkその他の英名はこちら
- 学名
- Carcharodon carcharias
- 分類
- ネズミザメ目(Lamniformes)ネズミザメ科(Lamnidae)ホホジロザメ属(Carcharodon)
- 命名された年
- 1758年(カール・フォン・リンネ)
- 保全状況
- 絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)
- ワシントン条約(CITES)
- 附属書Ⅱ(2004年)
- 最大全長
- 6.4m
- 歯の形状
- 両方の顎に大きな三角形の鋸歯状の歯。上顎の歯は広く、下顎の歯は狭い。
- シャークアタックの回数
- 351件のサメ事故(1580年〜2026年、ISAF調べ)
- サメの攻撃が原因の死亡事故
- 59件のサメによる死亡事故(1580年〜2026年)
- サメの攻撃が原因の負傷事故
- 292件のサメによる負傷事故(1580年〜2026年)
- 危険度
- 水族館で会える可能性
- ペットとして飼育できる可能性
ホホジロザメの生態

世界一有名なサメといっても過言ではないのが、ホホジロザメです。映画『ジョーズ』の影響もあり、「人食いザメ」「最も危険なサメ」といったイメージで広く知られています。
ホホジロザメは、現生する魚類の中で最大級の肉食性捕食者です。全長は平均で約4.5mに達し、記録されている最大個体は約6.4mとされています(NOAA Fisheries, 2025)。
寿命も非常に長く、年齢推定の研究からは70年以上生きる可能性があると考えられています(Shark Trust, 2019;水産庁・水産研究・教育機構, 2019)。
頂点捕食者であるホホジロザメは、のこぎり状の縁をもつ鋭い三角形の歯を使い、魚類のほか、アシカやアザラシなどの海洋哺乳類、ウミガメ、海鳥を捕食します。また、死んだクジラの死骸を利用するスカベンジングも重要な食性の一部です(Shark Trust, 2019)。クジラの死骸に集まるホホジロザメの姿は、ドキュメンタリー番組などで目にしたことがある人も多いでしょう。
捕食行動の一例として、ホホジロザメが海面から跳び上がるブリーチングが知られています。詳しくは ホホジロザメのジャンプ(ブリーチング)について
で解説しています。
現在、ホホジロザメを捕食することが確認されている生物は、天敵とされるシャチと、一部の大型サメに限られています(Florida Museum, 2018)。
体は魚雷のような流線型(紡錘形)をしており、高速遊泳に適応しています。普段は比較的ゆったりと泳ぎますが、狩りの際には時速24km程度まで加速することが、バイオロギングによる実測で記録されています(国立極地研究所, 2019)。時速50kmに達するとしている資料もあります(Smithsonian Ocean, 2018)。
遊泳速度について詳しく知りたい方は、
『ホホジロザメは時速何km?気になる遊泳速度』
もあわせてご覧ください。
見た目の特徴(形態)

ホホジロザメは大型のサメで、全体的にがっしりとした体型をしています。丸みのある胴体に大きな胸ビレと背ビレ、黒く澄んだ瞳、そしてかみそりのように鋭い三角形の歯を備えており、他の種類のサメと見間違えることはほとんどありません。
体色は基本的に単色で、背中側は灰青色から灰褐色、頬や腹側は真っ白です。この暗色と白色の境界線が体の側面ではっきり分かれている点が、大きな形態的特徴となっています。
この配色は「カウンターシェーディング」と呼ばれ、上から見ると暗い海底に、下から見ると明るい海面に溶け込む効果があります。獲物に気づかれにくくするだけでなく、外敵から身を守るためのカモフラージュとしても機能しています。
大きさ
- 大きさ
- 平均4m〜5m
- 最大全長
- オス:5.5m、メス:6.4m(Ebert et al., 2021)。11mのホホジロザメの記録は古く、ウバザメの誤認とみられている。
- 体重
- 平均は680〜1,000kg、最大級サイズは1,800kg〜2,500kg
ホホジロザメに限らず、大型のサメについて語られる際には、最大サイズが強調されることが少なくありません。しかし、実際の平均的な全長はおよそ4〜5m程度とされています。
また、サメ類では一般的にメスのほうがオスよりも大きく成長する傾向があります。特に妊娠中のメスは、お腹が大きく張り出すため、見た目として通常よりも一回り大きく見えることがあります。そのため、観察時の印象や写真・映像によっては、実際以上に巨大に感じられる場合もあるでしょう。
寿命
- 寿命
- 39〜73歳。人間と同じくらい生きると推定されている。
※サメの年齢を推定するのは難しく、多くのサメが過小評価されている可能性があるので今後さらに長くなる可能性もあります。
- 最大寿命
- 73歳以上。
2014年頃まで、ホホジロザメの寿命はおよそ25〜30年程度と考えられてきました。しかし、放射性同位体(炭素14)を用いた年齢推定法が導入されたことで、その認識は大きく改められました。近年の研究では、オスで最大73年、メスでも約39〜40年生存する可能性があると推定されています(Hamady et al., 2014;Natanson & Skomal, 2015)。
ホホジロザメが70年以上生きる可能性があるという事実は、人間の寿命に近い長さであり、多くの人にとって意外に感じられるかもしれません。
このように成熟までに長い時間を要し、寿命が長く、1回の出産数が2〜17匹と少ないホホジロザメは、個体数の増加率が低い生き物です。そのため、漁獲や混獲など人間活動の影響を受けると、個体群が回復しにくく、乱獲に対して非常に脆弱な特性をもっています。 恐竜よりも長い年月を生き抜いてきたサメたち。 その中でも、最強のハンターとして名高いホホジロザメが、今、絶滅の危機に瀕しています。 いったいなぜ、ホホジロザメの個体数は減ってしまったのでしょうか? 今 ... 続きを見る
なぜホホジロザメは絶滅危惧種、危急種のサメなのか?その理由を解説
繁殖
- 繁殖方法
- 卵胎生
- 妊娠期間
- 約12か月と推定されている(Save Our Seas Foundation, 2025;Ebert et al., 2021)
- 出産数
- 2〜17匹(Ebert et al., 2021;Rigby et al., 2022)
- 赤ちゃんザメの大きさ
- 1.07〜1.6m(Ebert et al., 2021)。1.2〜1.5mとする資料もある(Rigby et al., 2022)
- 繁殖サイクル
- 2〜3年ごとと推定されている
- 成熟年齢
- オスのホホジロザメは9〜10歳、メスは14〜33歳(Ebert et al., 2021)。炭素14を用いた年齢検証では、メスの成熟年齢は30〜33歳と推定されている(Rigby et al., 2022)。
- 成熟サイズ
- オス:3.1〜4.1m、メス:4〜5m(Rigby et al., 2022)。
ホホジロザメは卵から産まれる?それとも、お母さんザメのお腹から産まれる?
どちらが正解だと思いますか?
正解は「お母さんザメのお腹から産まれる」です(Save Our Seas Foundation, 2025)。
ホホジロザメの繁殖様式やホホジロザメの赤ちゃんの動画は以下の記事をどうぞ。
ライフスタイル
- 好む水温
- 12~24°C
- 泳ぐ速度
- 通常は時速2.9〜4.9km。狩りの際は最大で時速24km(国立極地研究所, 2019)
- 性格
- 好奇心旺盛。スパイホッピングと呼ばれる行動で水面の外で何が起こっているのか注意を払う(Save Our Seas Foundation, 2025)
- 社会性
- 社会性も持つ。生息地域によって狩りの方法が異なる。
- 1日の過ごし方
- 食物が豊富な地域を求めて長距離移動
- 好きな食べ物
- アザラシ、オットセイ、クジラの死骸。エネルギーが豊富な脂肪を多く含む獲物が好物。羊の死骸は嫌い。
- 海の仲間のお友達
- 同種のホホジロザメ
ホホジロザメは、一般的に水温12〜24℃程度の温帯海域を好むとされていますが、実際には熱帯から寒帯まで非常に広い海域に適応して生息しています。
ふだんは比較的ゆったりと泳いでいますが、狩りの際には一転して高速で突進します。オーストラリアのネプチューン諸島で8匹のホホジロザメにバイオロギング機器を取り付けた調査では、ふだんは秒速0.8〜1.35メートル(時速2.9〜4.9km)で泳ぎ、オットセイを追うときには最大で時速24kmまで加速したことが記録されました(国立極地研究所, 2019)。
ホホジロザメの性格
ホホジロザメは、好奇心が強く、経験から学習する能力をもつサメだと考えられています。新しい物体や状況に遭遇した際には、その正体を確かめるために近づき、行動を観察することがあります。
サメには手がないため、対象を調べる手段として「テストバイト(試し噛み)」と呼ばれる軽い噛みつきを行うことがあります。この行動が、人間に対する攻撃と誤解される一因になる場合があります(Save Our Seas Foundation, 2025)。
ホホジロザメの社会性と協力関係
巨大で孤独なハンターという印象をもたれがちなホホジロザメですが、近年の研究では、一定の社会性をもつ可能性が示されています。知能が高く、他個体の行動を認識しながら関係性を築くことがあると考えられています(Compagno et al., 2005:Florida Museum, 2018 経由で参照)。
観察例の中には、特定の個体同士が繰り返し行動をともにし、協力的な関係を築いているように見えるケースも報告されています。こうした関係は、人間でいう「友情」とは異なりますが、互いの存在を認識し、行動を調整している点で注目されています。
同じ獲物を狙う場面では、直接争うのではなく、尾ビレで水面を叩く「テール・スラッピング」などの威嚇行動を行い、優先順位を示すことがあります。こうした行動は、無用な闘争を避けるためのルールのような役割を果たしていると考えられています(Florida Museum, 2018)。
また、スミソニアン協会の海洋情報サイト「Smithsonian Ocean」によると、複数のホホジロザメが集まった際には、口を開けて向かい合ったり、体をぶつけ合ったりといった、多様な行動が観察されることもあるそうです(Smithsonian Ocean, 2018)。
カリフォルニア沿岸に生息するホホジロザメの一部は、季節的にハワイ方面へ回遊し、「ホホジロザメカフェ」と呼ばれる海域に集まることが知られています。ただし、こうした集まりの正確な目的や社会的意味については、現在も研究が続けられています。
ホホジロザメが好む食べ物とは?
ホホジロザメは主に、アシカやトド、イルカ、オットセイ、アザラシといった海産哺乳類をはじめ、海鳥、クジラの死骸、他種のサメ、大型の硬骨魚類などを捕食します。大型のサメであるため、エネルギー効率の高い比較的大きな獲物を選ぶ傾向があります。
また、ホホジロザメには食性の傾向があり、特に脂肪分の多い生き物を好むことが知られています。脂肪は効率よくエネルギーを得られるため、回遊距離が長く、活動量の多いホホジロザメにとって重要な栄養源となっています。
ホホジロザメが好む水温は?
ホホジロザメが好む水温は、おおよそ12〜24℃程度と考えられています。この範囲は温帯海域に多く見られる水温で、ホホジロザメが世界各地の温帯域に広く分布している理由のひとつでもあります。
参考までに、日本の学校教育におけるプール授業の実施基準は水温22℃以上とされており、海水浴に適した水温は大人で23℃以上、子どもで25℃以上とされています。こうした身近な基準と比べてみると、ホホジロザメが好む水温が、人間にとっても比較的過ごしやすい温度帯であることがイメージしやすいかもしれません。
ホホジロザメの歯

| ホホジロザメの歯の形状 | 鋸歯状の三角形 |
|---|---|
| ホホジロザメの歯の本数 | 300本 |
| ホホジロザメの歯の長さ | 3.81~6.35cm |
| ホホジロザメの歯の列数 | 5〜7列 |
| 1列に並ぶ歯の本数 | 上顎23〜29本、下顎21〜25本 |
| 一生の間に生えてくる歯の本数 | 2〜3万本 |
ホホジロザメは、縁がのこぎり状になった大きな三角形の歯をもちます。獲物の肉を切り取るのに適した形です。 ホホジロザメの口の中には、約300本の歯があります。上あごに23〜28本、下あごに20〜26本が並び、その後ろに交換用の歯が控えています。折れたりすり減ったりしても、後ろの歯が前へ送り出されるため、ホ ... 続きを見る
歯の列数は5〜7列(Smithsonian Ocean, 2018)、1列に並ぶ歯の本数は上顎23〜29本、下顎21〜25本とされています(Ebert et al., 2021)。
ホホジロザメの歯の数は何本?知られざる秘密を解説
噛む力はどれくらい?
ホホジロザメの噛む力は全長によって異なります。
当然ながら、大型のホホジロザメになればなるほど噛む力は大きくなります。
| ホホジロザメの全長 | ホホジロザメの体重 | 咬む力(ニュートン)/ kg(1kg=9.8N) |
|---|---|---|
| 2.5m | 240kg | 1,602N / 163kg |
| 3.3m | 423kg | 2,341N / 239kg |
| 6m以上 | 3,324kg | 9,320N / 951kg |
1kg=9.8Nで換算
引用:Wroe et al. (2008) “Three-dimensional computer analysis of white shark jaw mechanics: how hard can a great white bite?”
人間の噛む力は、男性の平均は261ニュートン、女性は173ニュートンです。
それに対して、全長が2.5mのホホジロザメですら、1,602ニュートンなので人間の女性の10倍近くの噛む力ということになります。
全長が6m以上のホホジロザメの噛む力9,320N(951kg)というのは約1tなので、車一台が落ちてくるくらいの力で噛むことができるということですね。
ホホジロザメの分布域と生息域
- 分布域
- 世界各地の温帯海域にまばらにかつ局地的に生息。また、アラスカやカナダ沿岸、アメリカ合衆国や南アフリカ共和国、オーストラリア、ニュージーランドの周辺海域、地中海等で多く見られ、生息範囲は世界中に及ぶのが特徴。2009年に公表された研究結果により、メキシコ〜ハワイ間の深海にホホジロザメが集うホホジロザメ・カフェという海域があることが判明(Jorgensen et al., 2010)。
- 日本国内での分布域
- ホホジロザメの日本周辺での出現報告は少ない。瀬戸内海、沖縄、東京湾とつながる神奈川県川崎市千鳥運河。2010年青森県と宮崎県、2011年岩手県、2017年石川県七尾市沖(日本海では30年ぶり)。
- 生息域
- 一般的には沿岸性で、ときに表層にも生息。
- 水深
- 一般的には水深1,200メートルまでの海域に分布しているとされていますが、記録によれば水深1,300メートルを超える深海にまで達することがあり、光の届かない「ミッドナイトゾーン(漸深層)」での発見例も(Compagno et al. 2005:Florida Museum, 2018 経由で参照)。
分布域
ホホジロザメはコスモポリタンなサメです。
主に温帯海域に生息していますが、アラスカとカナダの海岸などの冷たい海域で記録されることも。
カナダの東海岸に位置するニューファンドランド島からフロリダまでの大西洋西部、メキシコ湾北部、バハマ、キューバ、ブラジルからアルゼンチンまで、フランスから南アフリカまでの大西洋東部、地中海、インド洋では紅海から南アフリカ、インド洋に浮かぶ115の島々からなる島国セーシェル共和国、マダガスカル島東方のインド洋上に位置するレユニオン島、アフリカ大陸東部の沖合、マダガスカルのさらに東方に浮かぶ、インド洋の小さな島国モーリシャス共和国まで、西太平洋では、シベリアからニュージーランドおよびマーシャル諸島、太平洋中央部ではハワイ諸島沖、東太平洋ではアラスカからカリフォルニア湾、パナマからチリまで分布しています。
日本での分布域・発見された場所
日本のホホジロザメの分布域は沖縄周辺から北海道周辺海域に及び、水温の季節的な変化に従って列島周辺海域を南北回遊しているとみられています(水産庁・水産研究・教育機構, 2019)。
2005年10月26日午前7時ごろ、東京湾とつながる神奈川県川崎市千鳥運河では、オスとしては世界最大級の全長約4・8メートルのホホジロザメが浮いているのが発見されました。
※この個体は「かわジロー」と呼ばれ、剥製標本として川崎マリエン(川崎市港湾振興会館)のロビーで展示されています。なお、全長は新聞報道では約4.8メートル、学術報告では4.85メートルと記載されています。
2010年青森県と宮崎県、2011年岩手県、2017年石川県七尾市沖(日本海では30年ぶり)などにも分布しているようです。
日本のホホジロザメの生息域・発見された場所について詳しく知りたい方は『ホホジロザメは日本のどこに生息している?海での目撃談や捕獲情報まとめ』をどうぞ!
淡水にも生息してる?
ホホジロザメは淡水に生息していません。
淡水にも適応しているのは、ホホジロザメではなくオオメジロザメ(Bull Shark)です。
1916年7月1日から12日にかけて、サメによる襲撃により4人が死亡、1人が負傷したニュージャージーサメ襲撃事件の犯人はホホジロザメといわれていますが、7月12日に2件の襲撃事件が起きたマタワン川は淡水であり、ホホジロザメの生息域ではありません。
ホホジロザメは人食いザメなの?人間への危険性は?
- 危険度
- シャークアタックの回数
- 351件のサメ事故(1580年〜2026年、ISAF調べ)
- サメの攻撃が原因の死亡事故
- 59件のサメによる死亡事故(1580年〜2026年)
- サメの攻撃が原因の負傷事故
- 292件のサメによる負傷事故(1580年〜2026年)
ホホジロザメは狩りの時には大きな口を開け、白目を剥き、激しく噛み付きます。
そのイメージから、白い死神などと異名をつけられ、恐れられているのかもしれません。
サメによる襲撃事故でよくニュースになるのが、ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメです。
ホホジロザメから見ると人間は餌のサイズなので結果としてサメによる襲撃事故になってしまいますが、人間を好んで食べるということはありません。
獰猛な人食いザメというわけではありませんが、大型のサメなので人間にとっては非常に危険であるといえるでしょう。
ホホジロザメは人間を食べたいの?
ところで、ホホジロザメは本当に恐ろしいサメなのでしょうか。
世界保健機関(WHO)によると、ヘビに咬まれて亡くなる人は世界で年間81,000〜138,000人、狂犬病で亡くなる人は年間およそ59,000人と推定されています。狂犬病の感染源のほとんどは犬です。
サメによる被害者は、日本では年間平均でみると1人未満、世界では6人です。
ホホジロザメなどによる人間への襲撃については「サメ事故は年間何件?日本に生息する人食いザメの種類・分布・危険性」にまとめました。
必要なだけ餌を与えられている水族館のサメは同じ水槽の魚をあまり食べないですし、ホホジロザメが獰猛な人食いザメであるなら、サメによる襲撃事故はもっと多く起こっているはずです。
また、ホホジロザメは脂肪が多い生き物を好んでいるため、人間はホホジロザメにとってはまずい食べ物だと考えられています。
ホホジロザメはイメージほど人間を襲うことはないですが、万が一、狙われたら大怪我をしたり、命を落とす確率は高いでしょう。
野生の生き物は無情です。
CNNの記事『伝説の巨大ホホジロザメに遭遇、撮影に成功 ハワイ沖』によると、ホホジロザメの「ディープブルー」と泳いでいる動画で有名なダイバーのオーシャン・ラムジー氏ですら、サメは人間の予測不能な行動に出る場合もあると警告しており、「ホホジロザメやイタチザメのいる水域に故意に飛び込むのは全くおすすめできない」といっています。
ホホジロザメの弱点は?
ホホジロザメの弱点は鼻先(吻)です。
サメの鼻先には「ロレンチーニ瓶」という電気センサーがあります。
陸上と違い、電気の伝導性が高い海中では、この「ロレンチーニ瓶」が獲物を探すときなどに大活躍するのです。
「ロレンチーニ瓶」はサメの第六感とも呼ばれる敏感な器官のため、鼻先を掴まれたり、パンチされることが苦手です。
実際に、サメに襲われた人が鼻先にパンチして九死に一生を得たことも!
また、ホホジロザメはひっくり返されると動けなくなるのも弱点です。
たとえば、野生のホホジロザメを調査する際にひっくり返すことで動きを封じて、採血などを行うこともあります。
怖いのがシャチです。
シャチがホホジロザメを襲撃するときには、まず体当たりし、サメの体をひっくり返して無防備になったところを攻撃すると考えられています。
ホホジロザメの弱点
- 鼻先(吻)のロレンチーニ瓶
- 体をひっくり返されること
ホホジロザメと人間との関わり
ホホジロザメは世界的に漁業の対象種ではありませんが、定置網を使った漁業で混獲されています。
沿岸性のサメなので、刺し網、底びき網、 かに籠、小型はえ縄などの沿岸漁業でも混獲されることがあります。
外洋で行われるまぐろはえ縄などの遠洋漁業による混獲は滅多にありません。
世界各国で保護の対象
ホホジロザメは個体数の増加率が低いため、人間の乱獲や環境の悪化に対してとても脆弱なサメです。
ホホジロザメは人食いザメの代名詞として恐れられていますが、食物連鎖の頂点にいる大型の生きものは個体数も少なく、大きくなるまで何年もかかります。
南アフリカ、ナミビア、イスラエル、マルタ、モルディブ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界各地でホホジロザメは保護されています。
保全状況
ホホジロザメは絶滅危惧種?
ホホジロザメは絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)と評価されています。
| 絶滅 | 絶滅危惧種 | 絶滅リスクは低い | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.絶滅(EX) | 2.野生絶滅(EW) | 3.深刻な危機(CR) | 4.危機(EN) | 5.危急(VU) | 6.準絶滅危惧(NT) | 7.低懸念(LC) |
| どこにもいない |
ほぼ絶滅 |
かなりやばい |
やばい |
やばそう |
そろそろやばい |
今は心配なし |
| メガロドン | - | ヨゴレ、シロワニ、アカシュモクザメ | アオザメ、ニタリ、レモンザメ | オオメジロザメ、ホホジロザメ、クロヘリメジロザメ | イタチザメ、ヨシキリザメ | ネコザメ |
| - | - | イリオモテヤマネコ、ラッコ | トキ、トラ | パンダ | トド | - |
| - | - | - | ニホンウナギ | クロマグロ | - | ブリ |
※この他に、データ不足で正しく評価できない情報不足種 (DD / Data Deficient)、まだ評価がされていない未評価種 (NE / Not Evaluated)というふたつのカテゴリーがあります。
※IUCNレッドリストでは、未評価種 (NE)、情報不足種 (DD)、低懸念(LC)、.準絶滅危惧(NT)、絶滅危惧種(危急、危機、深刻な危機)、野生絶滅(EW)、絶滅(EX)の9つのカテゴリに分類しています。
※レッドリストについては『【2025年12月版】絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ』で解説しています。
IUCNレッドリストではホホジロザメを絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)と評価しています(Rigby et al., 2022)。
この評価では、3世代にあたる159年間の個体数の減少率を30〜49%と推定しています。地域ごとの傾向は分かれており、北西大西洋と南太平洋では歴史的な水準から減少し、北東太平洋とインド洋では増加していると推定されています。多くの地域では1980年代に減少が起こり、1990年代に保護措置が導入されてからゆるやかな回復が見られています。
ワシントン条約(CITES)
- ワシントン条約(CITES)
- 附属書Ⅱ(2004年)
ホホジロザメは2004年にワシントン条約(CITES)の附属書Ⅱに掲載されました。
日本は、サメ類を含む海産種の資源管理は地域漁業管理機関または沿岸国が行うべきという立場から、ホホジロザメの附属書Ⅱ掲載について留保を付しています(水産庁・水産研究・教育機構, 2019)。
ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について
ホホジロザメについてのよくある質問
ホホジロザメについてのよくある質問をまとめました、さらに知りたい方のためにおすすめ記事へのリンクも貼っています。
ホホジロザメは日本のどこにいますか?
ホホジロザメは日本の太平洋側で目撃されることがありますが、めったにいません。 ホホジロザメは日本のどこに生息しているの? ホホジロザメは日本のどこに生息しているの? 水産庁・水産研究・教育機構の「令和7年度 国際漁業資源の現況 大型サメ類 全水域 ウバザメ(Basking sh ... 続きを見る
これまでホホジロザメが目撃された場所については以下の記事を参考にしてください!
ホホジロザメは日本のどこに生息している?海での目撃談や捕獲情報まとめ
ホホジロザメはなぜ人を襲うのでしょうか?
ホホジロザメが人を襲うというのは映画のイメージです。
確かに見た目は怖いホホジロザメですが、1580年〜2026年までに起きたホホジロザメによるサメ事故の件数は351件です。そのうち、292件が負傷事故、59件が死亡事故となっています。
ホホジロザメやサメの仲間がひっくり返ると気絶するって本当?
ホホジロザメやサメの仲間がひっくり返ると気絶します。詳しくはこの記事をどうぞ!
ホホジロザメは魚類ですか?
ホホジロザメは魚類です。ところが、お腹で赤ちゃんを育てたり、見た目が少しイルカと似ていますよね。
以下の記事では、ホホジロザメが哺乳類ではなく魚類である理由や、イルカとの違いや共通点、そしてなぜ似た姿になったのかを解説しています!
ホホジロザメとシャチはどっちが強いですか?
ホホジロザメとシャチはどっちが強いのかというのは、一概にはいえませんが同程度のサイズの個体についてはシャチの方が強いといってもいいでしょう。ホホジロザメとシャチについてさらに詳しく知りしたい方は以下の記事をお読みください。
世界最大のサメは何ですか?ホホジロザメですか?
世界最大のサメはジンベエザメです。ホホジロザメではありません。なお、ジンベエザメは魚類としても最大の大きさです。ネット上にはホホジロザメが8mや10mだといっている人もいるかもしれませんが、科学的な裏づけのないデマです。一般的に最大サイズの大きさのホホジロザメは6.4mだといわれています。
ホホジロザメを見たいのですが方法はありますか?
生きたホホジロザメと会う方法は、ダイビング中にたまたま遭遇するか、ケージダイビングです。
日本の海でダイビング中にたまたま遭遇することはまずないでしょう。
檻に入って海中でホホジロザメと対面できるホホジロザメのケージダイビングができる場所は日本にはありません。
生きた個体ではありませんが、剥製であれば日本でも見ることができます。2005年に川崎港の千鳥運河で見つかった全長4.85メートルのオス「かわジロー」の剥製標本が、川崎マリエン(川崎市港湾振興会館)のロビーで展示されています。
ホホジロザメを飼育している水族館はどこですか?
残念ながら、ホホジロザメを飼育している水族館はありません。
日本では過去に2回ほど、ホホジロザメの飼育に挑戦した水族館がありますが、いずれも3日ともたず死んでしまいました。
\水族館でのホホジロザメの最長飼育記録などを紹介!/ 今回のブログでは、ホホジロザメが水族館にほとんどいない理由や、過去の最長飼育記録などについて解説します! ホホジロザメの生態については、「ホホジロザメの生態、特徴、大きさ、寿命、危険度とは?人食いサメ ... 続きを見る
ホホジロザメが水族館にいない理由とは?過去の最長飼育記録なども解説
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