ホホジロザメやサメたちにとって一番恐ろしい天敵が人間であることは間違いありません。
では、海にホホジロザメの天敵はいるのでしょうか。
今回のブログでは、ホホジロザメ vs シャチはどっちが強いのか、大きいのかということについて解説します。
ホホジロザメ vs シャチはどっちが大きい?
ホホジロザメ vs シャチの体の大きさはシャチの方が大きいです。
また、体の大きさだけではなく、ホホジロザメよりもシャチの方が体重も重く、最大遊泳速度も速いです。
ホホジロザメ | シャチ | |
---|---|---|
最大全長 | 6.4m | 9.6m |
最大体重 | 2,268kg | 9,000kg |
最大遊泳速度 | 45km/h | 48km/h |
このように数字で比較してみると、ホホジロザメよりもシャチの方が有利なのがよくわかりますね。
その上、シャチは高い知能をもっています。
ホホジロザメ vs シャチはどっちが強い?
これまでシャチは南アフリカの海でホホジロザメには手出しをしなかったのになぜ、攻撃するようになったのでしょうか。
頭脳と強さを兼ね備えたシャチは、驚くほど複雑な方法でサメを殺すことが知られています。
シャチはまずサメに体当たりし、サメの体をひっくり返す。多くのサメは、体をひっくり返されると瞬間的に意識を失い、無防備になる。
バハマのビミニ島に研究拠点を置くサミュエル・グリューバーによると、「シャチの学習能力は驚くほど高く」、1頭のシャチがたまたまサメに激突し、サメがひっくり返って動かなくなったら、「それを仲間に教えることも考えられる」という。
引用:Newsweek『シャチがホホジロザメを餌にし始めた』
つまり、賢いシャチは自分の捕食行動におけるリスクを最小限に抑えながら、ホホジロザメを簡単に捕食する方法を学んだのです。
それだけではなく、ホホジロザメを水面に追い込み、頭上から尻尾で一撃を与えることもあります。
シャチはホホジロザメだけではなく、もっとも速く泳ぐことのできるアオザメや魚類最大の大きさを誇るジンベエザメですら倒すことができると言われています。
ホホジロザメはシャチから逃げる?
モントレー・ベイ水族館のサルバドール・ヨルゲンセンは、約15年にわたりカリフォルニア州沖でホホジロザメを研究しきました。
ジョルゲンセンたちは、ホホジロザメに追跡タグを取り付けることにより、長期にわたってホホジロザメの回遊を追跡することができました。
2009年、チームは17匹のホホジロザメにタグを装着。
ホホジロザメたちは数か月にわたって南東部のファラロン島を周遊し、ゾウアザラシを捕食していました。
とことが、2009年11月2日の昼下がり、2つのシャチの群れが島に出現し、その8時間後には17匹のホホジロザメが突然姿を消してしまいました。
その後、ホホジロザメの追跡タグはシャチがいる場所から遠くの海域で検出されました。
後年にも同じような事例が記録されているそうです。
シャチがホホジロザメを襲撃
2017年、南アフリカの西ケープ州に5匹のホホジロザメ(オス3匹・メス2匹)の死骸が漂着しました。
このホホジロザメの大きさは2.7メートルから4.9メートルと大型の個体ばかり。
また、漂着したホホジロザメに共通していたのは胸ビレの間に穴が開いており、肝臓がなくなっていたことです。
ホホジロザメの肝臓は体重の4分の1を占め、鯨の脂身よりもさらに豊富な脂肪分と油分を含んでいます。
研究者によると、ホホジロザメの肝臓は海の中で最も高密度なカロリー源のひとつです。
噛まれた痕、目撃情報からその犯人はシャチだということがわかりました。
これまでシャチは南アフリカの海で小型のサメの肝臓を捕食していましたが、ホホジロザメには手出しをしませんでした。
南アフリカでは、ホホジロザメ、他の沿岸性サメとシャチとの間で捕食者-被食者の関係性が増加しており、そのことが生態系に顕著な影響を及ぼすのではないかと予想されています。
ホホジロザメとシャチについてよくある質問
ホホジロザメとシャチについてよくある質問です。参考記事も紹介します。
シャチはなぜ、ホホジロザメをひっくり返すのですか?
シャチはホホジロザメを気絶させるためにひっくり返します。ホホジロザメがひっくり返ると気絶する理由については「ホホジロザメやサメの仲間がひっくり返ると気絶する理由は?」をお読みください。
シャチはサメを食べますか?
シャチはホホジロザメの肝臓が好物です。人間もサメの肝臓目当てに乱獲していましたが、シャチにとってもサメの肝臓は魅力的なようです。
また、人間がサメ肉をそれほど好まないのと同じようにシャチもホホジロザメの肝臓だけを食べて他は残してしまいます。
ホホジロザメの天敵はシャチ?
ホホジロザメの天敵はシャチ、といいたいところですがわたしたち人間です。ホホジロザメはシャチがいる海域からは逃げることができますが、わたしたち人間はホホジロザメが暮らしやすい海域で漁をすることが多く、混獲してしまいます。逃げ場がないという意味ではホホジロザメにとって最大の天敵はわたしたち人間でしょう。
参考記事:The Predator That Makes Great White Sharks Flee in Fear