サメ保全から見るボン条約(CMS)第15回締約国会議の重要ポイント
2026年3月23日〜29日、ブラジルのカンポグランデで、ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約、CMS:Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals)の第15回締約国会議(CMS COP15)が開催され、132カ国および欧州連合(EU)が参加しました。CMS COP15は、国境を超えて移動する生きものたちの保全における世界的に重要な国際会議です。 今回のCOP15では、40種を条約附属書へ新規掲載、または保護 ...
ボン条約(CMS)とは?サメを守る移動性野生動物の種の保存に関する条約を解説
ボン条約とは、「移動性野生動物の種の保存に関する条約(ボン条約 / CMS:Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals)」のことです。英語ではConvention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animalsといい、1979年にドイツのボンで採択されたため、「ボン条約」とも呼ばれます。 ボン条約(CMS)が守ろうとしているのは、国境を越えて移動する ...
【2025年】IUUフカヒレ漁の一覧|サメ密漁とシャークフィニングの今を見る
「シャークフィニング」それは、サメのヒレだけを切り取り、残された体を海に捨てる、極めて残酷で非持続的な行為です。 本記事は、シャークフィニングについての主記事「サメのヒレだけ取る残酷なシャークフィニングとフカヒレ問題」の補足として、近年報道・摘発されたシャークフィニングの実例をまとめたものです。 国際的な密漁、違法漁業、フカヒレ市場の動向を時系列で整理することで、現代におけるシャークフィニングの実態とその広がりを可視化します。 このリストに名を連ねた事件のひとつひとつの背後には、「命を切り捨てられたサメた ...
海の食物連鎖の頂点に立つサメ、と聞くと、「ジョーズ」みたいな恐ろしいサメを想像する方も多いかもしれません。でも、サメにとって本当に恐ろしい存在は、人間なのかもしれません。 インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル「ISAF」によると、2025年に確認された、人間側からサメに働きかけていない状況で起きた咬傷は65件で、そのうち死亡は9件でした。2020~2024年の5年間平均は、咬傷61件、死亡8件です。 一方、2013年の研究では、世界で年間約6,300万~2億7,300万匹、中央値では約1億匹の ...
【2025年12月版】絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると現在サメ・エイの38%が絶滅の危機に瀕しています。 このブログでは、レッドリストの種類、IUCNレッドリストと環境省レッドリストの概要、IUCNレッドリストの評価の見方、IUCNレッドリストで絶滅危惧種とされているサメについて解説します。 レッドリストの種類 はじめにレッドリストの種類について紹介します。 日本国内でよく利用されるレッドリストには次の2種類があります。 IUCNレッドリスト 環境省レッドリスト IUCNレッドリストは国際自然保護連合(IUC ...
サメの保全とSDGsのつながりとは?乱獲・貧困・観光・気候変動から考える
今回は、サメの保全と環境問題、SDGsとのつながりについて解説します。 サメを守るというと、海の生き物だけの問題に見えるかもしれません。しかし、サメを捕る漁業、フカヒレやサメ肉を買う市場、沿岸地域で暮らす人々の仕事、観光、気候変動まで、さまざまな問題が関係しています。 サメと人間の関係 世界的大ヒット映画『ジョーズ』のイメージで、サメを恐ろしい人食いザメと思っている方も多いのではないでしょうか。 実際に、わたしがサメ好きというと、 「ジョーズのイメージしかない」 「人食いザメのどこがいいの?」 といわれて ...
世界サメ図鑑(2010年)によると、人間によって漁獲されるサメの数は年間で5,000万〜1億匹にもなるとみられています。 また、サメの種数は562種類ほどいますが、そのうちのおよそ30%にあたる168種が絶滅危惧種と評価されています。 サメの保護論を耳にしたことがある人は多いかもしれませんが、そのはじまりがいつだったのかを知る人はいないのでは? 今回のブログでは、サメの保護論のはじまりのきっかけやサメの保護が必要になった理由、時代背景などをわかりやすく解説します。 サメ保護論のはじまり かつてはサメの保護 ...
ゴーストフィッシングとは?サメの事例、対策などについてわかりやすく解説
ゴーストギアとゴーストフィッシングの違い ゴーストギアとゴーストフィッシングの違いは次のとおり。 ゴーストギアは流失漁具(漁網など)の道具こと ゴーストフィッシングはゴーストギアによって引き起こされる海の生き物たちへの危害のこと ゴーストギアとは? ゴーストギアとは、海で投棄、紛失、放置された持ち主のいない流失漁具(漁網やロープなど)のことです。 このうち漁網だけで、太平洋ゴミベルトを漂う海洋ゴミの重量の46%を占めています(Lebreton et al. 2018)。 ゴーストギアの原因は? ゴーストギ ...
アメリカ領サモア沖の深海採掘計画とは?サメへの影響とブルージャスティス(Blue Justice)
※この記事は2026年7月18日時点で公表されている資料をもとに執筆しています。競売の実施、対象海域、条件などは今後変更される場合があります。 アメリカ領サモア沖で、海底にある鉱物を開発するためのリース競売が現実味を帯びています。 アメリカの海洋エネルギー管理局(BOEM / Bureau of Ocean Energy Management)は2026年7月16日、二つの海域を対象とする海底鉱物リースの競売案を公表しました。対象面積は合計約3,150万エーカー。競売は同年11月19日に行う予定です。ただ ...
ブルージャスティス(Blue Justice)とは?海洋開発で問われる3つの公正
海を守りながら、海から新しい産業や利益を生み出そうとする動きが広がっています。 洋上風力発電、海洋保護区、養殖、観光、ブルーカーボン、深海採掘。海を利用する方法が増えるほど、誰が利益を受け取り、誰が負担を引き受けるのかという問いも大きくなります。 ブルージャスティス(Blue Justice)とは、海洋開発や保全政策によって生じる利益と負担、意思決定への参加、地域の文化や知識の扱いに公正があるかを問う考え方です。 環境に良いとされる政策でも、地域の人びとが漁場や生活の基盤を失うことがあります。経済的な利益 ...
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書は、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と結論づけました(文部科学省及び気象庁,2022)。 さらに、2023年7月には、世界の平均気温が観測史上最高記録を大幅に更新。 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が訪れた」と発言し、警鐘を鳴らしました。 世界の平均気温は産業革命前からすでに1.1℃上昇しており、このままでは2030年代には1.5℃に達する可能性があり、海は ...
海水温の上昇や乱獲の影響による魚やサメの小型化についてわかりやすく解説
魚の小型化とは 魚の小型化とは、その言葉のとおり魚が小さくなるということです。 その原因として考えられている理由は次のとおり。 乱獲 地球温暖化で海水温が上昇したことによる酸素不足 そうなのです。 魚の小型化の原因には、乱獲と地球温暖化で海水温が上昇したことによる酸素不足のふたつが考えられます。 乱獲は人間が海からの恵みを過剰に獲りすぎたため、温暖化に関しては近代的な人間活動により二酸化炭素を多く排出してしまったためです。 乱獲による魚の小型化 混獲や乱獲などにより魚の個体数が減少すると、小型・若齢で成熟 ...
海洋酸性化とは?仕組み、原因、サメへの影響、対策をわかりやすく解説
海洋酸性化とは 海洋酸性化とは、二酸化炭素量が増えることで海水が酸性になっていくことです。 なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。 海洋酸性化を英語でいうと? 海洋酸性化は英語で“ocean acidification”といいます。 oceanは「海洋」、acidificationは「酸性化」なので、そのままの意味ですね。 英語での読み方は、「オーシャン・アシディフィケイション(発音)」です。 海洋酸性化のメカニズム 引用:気象庁「海洋の炭素循環」各数値は炭素重量に換算したもので、黒の矢印及び数 ...
2048年には魚がいなくなる?魚を食べられなくなる未来になりそうな理由とは
乱獲による資源の枯渇、生態系バランスの悪化、絶滅危惧種の混獲、ゴーストフィッシング、海洋汚染など海はさまざまな問題を抱えています。 今回のブログでは、海と魚の問題について考えてみます。 海と魚の問題 はじめに海と魚の問題について考えてみます。 魚がいなくなった? 1945年10月16日に設立された『国連食糧農業機関(FAO / The Food and Agriculture Organization of the United Nations)』は、1950年以来、約200カ国で収集した漁獲データを『世 ...
IUU漁業とは IUUは以下の単語の頭文字をとっています。 Illegal(違法) Unreported(無報告) Unregulated(無規制) IUU漁業とは、違法、無報告、無規制な漁業のことです。 たとえば、乱獲、密漁、強制労働などによる人権侵害、違法な漁具や漁法を使用する漁など水産資源の保全・管理に関する法的規制に違反して行われている漁業のことをいいます。 意味 例 違法(Illegal) 国や漁業管理機関の許可なくまたは国内法や国際法に違反して行う漁業 漁獲枠の無視、違法な漁具や漁法での漁業( ...
ツマグロ(Carcharhinus melanopterus)は、背びれの先が黒く、丸みを帯びたフォルムがかわいいサメです。水族館では、ツマグロの愛らしい姿の虜になってしまいます。 ところが、ツマグロが絶滅危惧種だということをご存知ですか? 今回のブログでは、ツマグロがなぜ絶滅危惧種になってしまったのか、その理由について詳しく解説します。 ツマグロ英名:Blacktip reef shark / 学名:Carcharhinus melanopterus ツマグロ(Carcharhinus melanopt ...
大洗水族館のシロワニの赤ちゃんの出生前〜出生後の様子を詳細に綴った記録や繁殖への想い
大洗水族館のシロワニの赤ちゃんの出生前〜出生後の様子を綴った記録や繁殖への想いについてのプレスリリースを紹介します。担当飼育員からのメッセージは必見です! 日本初!絶滅危惧種のサメ「シロワニ」の赤ちゃん ◯日本初!シロワニの赤ちゃん展示開始 ■日本初、世界で5園館目の快挙!シロワニの赤ちゃん展示開始 2021年6月17日、当館が飼育するサメ「シロワニ」の赤ちゃんが誕生しました。 日本初、世界でも5園館目の快挙達成であり、バックヤードにて日々成長を見守ってまいりました。国内での事例がなく、試行錯誤しながら飼 ...
シロワニといえば、水族館でおなじみの大型のサメですが、世界中で乱獲され、その個体数が激減していることをご存知ですか? IUCNレッドリストでは、三段階ある絶滅危惧種のうち最も絶滅の危機に直面している深刻な危機(CR / Critically Endangered)と評価されている絶滅危惧種のサメなのです。 今回のブログでは、シロワニが絶滅危惧種なのはなぜなのか、その理由を解説します! シロワニが絶滅危惧種なのはなぜ シロワニが絶滅危惧種なのはなぜなのか。その理由は以下の3つです。 乱獲 繁殖力の低さ 生息 ...
ヨゴレ(英名:Oceanic Whitetip Shark / 学名:Carcharhinus longimanus) は、外洋に分布するサメです。 危険なサメとして有名なヨゴレ。 ところが、ヨゴレの個体数は世界中で98%以上減少したと推定されており、絶滅危惧種と評価されているサメです。 今回のブログでは、ヨゴレはなぜ絶滅危惧種なのかということを解説します! ヨゴレ(サメ)はなぜ絶滅危惧種なのか ヨゴレ(サメ)は、かつては外洋で多く見ることのできましたが、すべての海洋で個体数が急激に減少しており、ヨゴレの ...
なぜホホジロザメは絶滅危惧種、危急種のサメなのか?その理由を解説
恐竜よりも長い年月を生き抜いてきたサメたち。 その中でも、最強のハンターとして名高いホホジロザメが、今、絶滅の危機に瀕しています。 いったいなぜ、ホホジロザメの個体数は減ってしまったのでしょうか? 今回のブログでは、なぜ、ホホジロザメが絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)のサメになってしまったのかという理由について解説します。 ホホジロザメが絶滅危惧種になった理由 ホホジロザメが絶滅危惧種になった理由は次の3つです。 沿岸漁業での混獲 映画『ジョーズ』の影響による乱獲 成長速度が遅い 沿岸漁 ...
※当ブログは記事内にプロモーションが含む場合があります。
サメはどう語られたのか?気仙沼のサメスナック開発(毎日新聞・2026年6月5日)
このページは、日本でサメがどのように語られているのかを記録するための事例アーカイブです。ここで扱うのは、サメに関するニュースや広報資料、行政発表などに登場する「日本におけるサメの語られ方」です。 本アーカイブでは、 誰が登場しているのか どのような問題が設定されているのか どのような解決策が提案されているのか サメはどのような存在として位置付けられているのか を体系化することを目的としています。 ニュース概要 毎日新聞デジタル|2026年6月5日 「宮城・気仙沼のサメ使ったスナック開発 さかなクンからの要 ...
サメはどう語られたのか?おやつカンパニー×さかなクンによるモウカザメスナック開発(RADICHUBU・2026年2月17日)
このページは、日本でサメがどのように語られているのかを記録するための事例アーカイブです。ここで扱うのは、サメに関するニュースや広報資料、行政発表などに登場する「日本におけるサメの語られ方」です。 本アーカイブでは、 誰が登場しているのか どのような問題が設定されているのか どのような解決策が提案されているのか サメはどのような存在として位置付けられているのか を体系化することを目的としています。 ニュース概要 RADICHUBU|2026年2月17日 「おやつカンパニー×さかなクン、注目のコラボ!サメのス ...
アクアワールド・大洗で国内2例目となるシロワニの繁殖成功 前回と同じ親個体による成功事例は日本初の快挙
今回は、アクアワールド茨城県大洗水族館のシロワニについてのプレスリリースを紹介します。 追記:2023年5月7日(日)、シロワニ幼魚(個体番号:No.10)が2023年6月6日(火)に死亡しました。 シロワニ幼魚(個体番号:No.10)は誕生直後より浮力の調整ができず、水槽の底に沈む行動や遊泳の乱れなどが確認され、海外の他の水族館の事例などを参考に、試行錯誤しながら飼育員による処置を行ってきました。誕生から11日目にはエサを食べ、徐々に安定し、前日夕方も遊泳などに特に異常は見られなかったものの、2023年 ...
三重県尾鷲市の定置網で幻のサメ「メガマウスザメ」を捕獲【2016年4月】
三重県で幻のサメ「メガマウスザメ」を捕獲 引用:日テレNEWS NNN「幻のサメ「メガマウス」捕獲される 尾鷲市」、2016年4月15日掲載 2016年4月15日、三重県尾鷲市の定置網に、深海に生息する非常に珍しいサメの一種「メガマウスザメ」が捕獲されました。このメガマウスザメは、体長約5メートル、体重1トンを超える巨体で、2日前に仕掛けられた定置網に掛かっていた個体です。大きすぎるために、15日朝まで水揚げが遅れたとのことです。 メガマウスは、プランクトンを主食とする深海性のサメで、その大きな口が特徴で ...
