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海の環境問題

ゴーストフィッシングとは?サメの事例、対策などについてわかりやすく解説

2023年2月20日

ゴーストギアとゴーストフィッシングの違い

ゴーストギアとゴーストフィッシングの違いは次のとおり。

  • ゴーストギアは流失漁具(漁網など)の道具こと
  • ゴーストフィッシングはゴーストギアによって引き起こされる海の生き物たちへの危害のこと

ゴーストギアとは?

ゴーストギアとは、海で投棄、紛失、放置された持ち主のいない流失漁具(漁網やロープなど)のことです。
このゴーストギアは太平洋ゴミベルトを漂う海洋ゴミの46%を占めています。

ゴーストギアの原因は?

ゴーストギア発生の原因は、

  1. 海が悪天候で大荒れしたときに漁具を紛失
  2. 船の設備不良や経年劣化によりパーツが腐食して漁具を紛失
  3. 手軽で便利な処分方法として漁具の海洋投棄が行われていた

など自然要因によるものと人為的なものが理由に挙げられています。

また、漁網はプラスチック製の丈夫なものが多いため、なかなか分解されることがありません。
そのため、ゴーストギアとして長い間、海を漂うことになってしまうのです。

ゴーストフィッシングとは

ゴーストフィッシングとは?サメの事例や対策についてわかりやすく解説

この写真はShutterstock(写真素材、画像素材)で購入できます。

ゴーストフィッシングとは、海底などの水中に放置された漁網が長期間に渡って生きものに危害を与えることです。
海を漂うゴーストギアとなった漁網は持ち主がいなくなったのにもかかわらず動き続けて、魚などを獲りつづけます。
また、アナゴやカニ漁などではカゴや壺、筒を使うためゴーストフィッシングが発生しやすいとみられています。

ゴーストフィッシングが発生するとどうなる?

ゴーストギアに絡まってしまった生きものは動けなくなって、そのまま衰弱死してしまいます。
さらに、ゴーストギアに絡まって死んでしまった生きものを餌にしようとして集まってきた生きものたちもそこで二次被害にあってしまうこともあります。

ゴーストフィッシング(幽霊漁業)

このように人の管理を離れたゴーストギア=漁網が海中で魚を獲り続けることから、ゴーストフィッシング(幽霊漁業)と呼ばれるようになりました。

ゴーストフィッシングの事例

サメ類のゴーストフィッシングの事例です。

絶滅危惧種のサメ「ヨゴレ」の事例

世界中で個体数が激減しているサメ「ヨゴレ」もゴーストフィッシングの犠牲に。
ヨゴレは、IUCNレッドリストによると、保全状況は絶滅危惧種の中でもっとも絶滅の危険性が高い深刻な危機(CR / Critically Endangered)と評価されて、ワシントン条約(CITES)でも2013年に附属書Ⅱに掲載されているサメです。
サメの保全に対して消極的な日本ですら、ヨゴレについては中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)管轄水域(中西部太平洋海域)、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)管轄水域(東部太平洋海域) 、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)管轄水域(インド洋海域) 、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)管轄水域(大西洋海域) などの海域でのヨゴレの採捕(さいほ)、船上保持が禁止されており、生きて漁獲された個体については可能な限り生存放流することが推奨されています。
せっかく規制しても投棄された漁具がゴーストギアとなり海を漂い続けることで、絶滅危惧種のサメもゴーストフィッシングの犠牲になってしまうのです。

ゴーストギアのロープが絡まったアオザメ

アオザメ(Isurus oxyrinchus)

この写真はShutterstock(写真素材、画像素材)で購入できます。

環境省の「III.海洋環境への影響に係る調査結果」にて、サメのゴーストフィッシングの事例が取り上げられています。

サンディエゴ沖でゴーストギアのロープを体に巻き付けたオスのアオザメ(Isurusoxyrinchus)が発見されました。

このアオザメの発見時の状況は次のとおり。

  • 背面に深い擦り傷
  • 背骨が左右に弯曲
  • 栄養不足

ロープが食い込んだ背面に深い擦り傷

アオザメに巻き付いていたのは3本の撚り合わせた天然繊維でできた太さ1.9cmロープです。
このロープが食い込んだことにより背面に大きな傷があったそうです。

背骨が左右に弯曲

ロープ自体の重さとそれに付着するフジツボ重みが原因と考えられる背中の側弯がみられたようです。

栄養不足

アオザメは栄養不足に陥っていたようです。
ロープに絡まったことによりアオザメは遊泳能力が低下、それが原因でエサの捕獲率が低下していることが予想されました。
また、ロープの絡まりによる直接的な影響として、大きな獲物の飲み込みにも支障があるものと考えられました。

アオザメに絡まっていたロープ

アオザメに絡まっていたロープには、4種52個の外洋性フジツボが付着。
フジツボの成長速度からこのロープが少なくとも150日間以上巻きついていることが推定されました。

アオザメのその後

アオザメからゴーストギアのロープを取り外した後、追跡タグをサメに装着して54日間の健康状態の経過を観察しました。
その結果、最初の数日間は通常の遊泳パターンと異なっていたものの、その後通常の遊泳パターンに戻ったことから順調に回復したとみられています。

にゃぶり
にゃぶり
助かってよかったね!

参照:Effects of prolonged entanglement in discarded fishing gear with substantive biofouling on the health and behavior of an adult shortfin mako shark, Isurus oxyrinchus

ゴーストフィッシング対策

ゴーストフィッシング対策としては、漁具流出を予防すること、流出漁具を回収すること、生分解性プラスチックによる新しい漁具を利用することなどが挙げられます。
生分解性プラスチックは、通常のプラスチックと同様の耐久性を持ち、使用後は自然界に存在する微生物の働きで最終的に二酸化炭素(CO2)と水にまで完全に分解されます。
そのため、生分解性プラスチックによる新しい漁具の利用はゴーストフィッシング対策として一番理想的な対策にみえますが、開発コストや普及に向けてはまだ課題が残っているようです。
また、分解されるといっても流出漁具になった途端に分解されるわけではなく時間はかかるため、現状では漁具流出の予防や回収をすることが最善の対策なのではないでしょうか。

海や魚のためにできること

わたしたちは魚を獲るために漁に出る必要はありませんが、魚を獲ってきてもらっているという立場上、海の上で起きていることの責任を漁業関係者にだけ押し付けるわけにはいきません。
ゴーストフィッシングに対しては何もできないかもしれませんが、海洋ゴミを減らすことはできるのです。

では、わたしたちが海や魚のためにできることにはどんなことがあるのでしょうか。

ポイ捨てしない

毎年少なくとも800万トンのプラスチックゴミが海に流れ込んでいます。
海の生きものたちはプラスチック廃棄物や細かくなったマイクロプラスチックを摂取していることがわかっています。
ポイ捨てされたゴミはやがて川から海へと流れていきます。
どうしてもゴミ箱が見つからないときには自宅に持ち帰り捨てるようにしましょう。

海の生きものに関心を持とう

魚食を通じて、海の生きものに関心をもつということも大切です。
美味しいお魚を食べたとき、これから先もずっとお魚を食べていきたいと思いませんか?
海を守ることは美味しい食を守るということにもつながっていくのです。
未利用魚を積極的に食べることもおすすめです。

【魚のフードロス削減】未利用魚をサブスクで食べよう!Fishlle!(フィシュル)

Fishlle!(フィシュル)とは、十分な水揚げ量が無かったり、形が悪かったり傷がついていたり等の理由で価値が付かず、流通される前段階で通常の流通に乗らなくなってしまった未利用魚を活用したサブスクです。
未利用魚はなんと総水揚げ量の約30〜40%にも!
未利用魚の活用は、食べ物を粗末にしない、資源を無駄なく利用していこうという点でフードロスの削減になります。
フィシュルならミールパックだけでも旬なお魚や未利用魚をそのまま楽しむことができますが、アレンジレシピお届け!

絶滅の危機にある生き物を知ろう

IUCNレッドリストやワシントン条約などを学び、絶滅の危機にある生き物を知ることも、海や魚のためにできることのひとつです。
MUSEA BLOGでは、絶滅危惧種のサメについて『絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ【2021年10月版】』、『ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について』などの記事で解説しています。

生きものに会いに行こう

水族館の生きものに会いに行きましょう。
地球にはいろいろな生きものが共生していることを実感することも、海や魚のためにできることのひとつです。

水族館ブログ

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漁業の問題に関心がある人におすすめの本

魚が食べられなくなる日 / 勝川俊雄

東京海洋大学准教授の勝川俊雄さんの本。
漁業の問題が平易な表現で解説されているので知識がない人でもサクサク読める本です。
乱獲の問題に関心がある人におすすめ。

日本の漁業が崩壊する本当の理由 / 片野歩

水産会社社員の片野歩さんの本。
Q & A形式でわかりやすく漁業の問題を解説。
現役漁師親子を交えた座談会は読み応えあり。

サメの保全などに関するブログ

(C)沖縄美ら島財団 育成中の深海ザメ(ヒレタカフジクジラ)の胎仔

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2025/1/14

IUU漁業の問題や対策をわかりやすく解説

IUU漁業とは IUUは以下の単語の頭文字をとっています。 Illegal(違法) Unreported(無報告) Unregulated(無規制) IUU漁業とは、違法、無報告、無規制な漁業のことです。 たとえば、乱獲、密漁、強制労働などによる人権侵害、違法な漁具や漁法を使用する漁など水産資源の保全・管理に関する法的規制に違反して行われている漁業のことをいいます。 意味 例 違法(Illegal) 国や漁業管理機関の許可なくまたは国内法や国際法に違反して行う漁業 漁獲枠の無視、違法な漁具や漁法での漁業( ...

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2048年には魚がいなくなる?魚を食べられなくなる未来になりそうな理由とは

海の環境問題

2024/11/29

2048年には魚がいなくなる?魚を食べられなくなる未来になりそうな理由とは

乱獲による資源の枯渇、生態系バランスの悪化、絶滅危惧種の混獲、ゴーストフィッシング、海洋汚染など海はさまざまな問題を抱えています。 今回のブログでは、海と魚の問題について考えてみます。 海と魚の問題 はじめに海と魚の問題について考えてみます。 魚がいなくなった? 1945年10月16日に設立された『国連食糧農業機関(FAO / The Food and Agriculture Organization of the United Nations)』は、1950年以来、約200カ国で収集した漁獲データを『世 ...

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ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について

サメの保全(保護)

2024/12/7

ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について

ワシントン条約(CITES)とは ワシントン条約(CITES / サイテス:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)とは、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約のことです。 このワシントン条約では、絶滅の恐れのある野生動植物の貿易を制限することで、これらの種を保全することを目的としています。 一般的にはアフリカゾウ、トラ、パンダなどの陸上の動物を保護しているイメージが強いかも ...

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【海の食物連鎖】サメの生態系での役割とは?

サメの保全(保護)

2022/12/13

【海の食物連鎖】サメの生態系での役割とは?

サメの生態系での役割とは サメは高い栄養段階にいる高次捕食者であり、生態系・群集の要となる種です。 高次捕食者であるサメたちが栄養段階の低い下位生物群(サメより小さな魚)を食べることで、生態系・群集のバランスを保つという重要な役割を担っています。 また、サメによる下位生物群の消費は数のバランスを保つということだけではありません。 高次の捕食者であるサメが、下位生物群のうち、弱っている個体や病気の個体など、生存競争に勝てない生き物を食べることで、健全な生き物を生き残らせるという役割を果たすのです。 このよう ...

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サメの保全と環境問題〜SDGsとのつながりとは

海の環境問題

2024/12/6

サメの保全と環境問題〜SDGsとのつながりとは

今回は、サメの保全と環境問題、SDGsとのつながりについて解説します。 サメと人間の関係 世界的大ヒット映画『ジョーズ』のイメージでサメを恐ろしい人食いザメと思っている方も多いのではないでしょうか。 実際に、わたしがサメ好きというと、 「ジョーズのイメージしかない」 「人食いザメのどこがいいの?」 といわれてしまうこともしばしば。 人食いザメと恐れられるサメですが、人間にとって危険なサメはホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの3種類をはじめとしたごく一部のサメです。 外洋に住むヨゴレも危険なサメといわ ...

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多くのサメが絶滅の危機に直面している原因とは?

サメといえば獰猛で恐ろしい海のハンターというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?ところが、世界の海に生息するサメの個体数はここ50年間で大きく減少しています。水族館でおなじみのシロワニやアカシュモクザメ、ジョーズで有名なホホジロザメなども実は絶滅危惧種なんです。 今回の動画では、多くのサメが絶滅の危機に直面している原因についてお話しします。

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シャーク・アクティビストReinoとにゃぶり

シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 好きなものは、7 MEN 侍、SixTONES、永瀬廉(King & Prince)。ブログの執筆と監修を行っています。

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