ゴーストギアとゴーストフィッシングの違い ゴーストギアとゴーストフィッシングの違いは次のとおり。
ゴーストギアは流失漁具(漁網など) の道具ことゴーストフィッシングはゴーストギアによって引き起こされる海の生き物たちへの危害 のことゴーストギアとは? ゴーストギアとは、海で投棄、紛失、放置された持ち主のいない流失漁具(漁網やロープなど)のこと です。
このゴーストギアは太平洋ゴミベルトを漂う海洋ゴミの46% を占めています。
ゴーストギアの原因は? ゴーストギア発生の原因は、
海が悪天候で大荒れしたときに漁具を紛失 船の設備不良や経年劣化によりパーツが腐食して漁具を紛失 手軽で便利な処分方法として漁具の海洋投棄が行われていた など自然要因によるものと人為的なものが理由に挙げられています。
また、漁網はプラスチック製の丈夫なものが多いため、なかなか分解されることがありません。
そのため、ゴーストギアとして長い間、海を漂うことになってしまうのです。
ゴーストフィッシングとは
ゴーストフィッシングとは、海底などの水中に放置された漁網が長期間に渡って生きものに危害を与えること です。
海を漂うゴーストギアとなった漁網は持ち主がいなくなったのにもかかわらず動き続けて、魚などを獲りつづけます。
また、アナゴやカニ漁などではカゴや壺、筒を使うためゴーストフィッシングが発生しやすいとみられています。
ゴーストフィッシングが発生するとどうなる? ゴーストギアに絡まってしまった生きものは動けなくなって、そのまま衰弱死 してしまいます。
さらに、ゴーストギアに絡まって死んでしまった生きものを餌にしようとして集まってきた生きものたちもそこで二次被害にあってしまうこともあります。
ゴーストフィッシング(幽霊漁業) このように人の管理を離れたゴーストギア=漁網が海中で魚を獲り続けることから、ゴーストフィッシング(幽霊漁業)と呼ばれるようになりました。
ゴーストフィッシングの事例 サメ類のゴーストフィッシングの事例です。
絶滅危惧種のサメ「ヨゴレ」の事例
世界中で個体数が激減しているサメ「ヨゴレ」もゴーストフィッシングの犠牲に。
ヨゴレは、IUCNレッドリストによると、保全状況は絶滅危惧種の中でもっとも絶滅の危険性が高い深刻な危機(CR / Critically Endangered)と評価されて、ワシントン条約(CITES)でも2013年に附属書Ⅱに掲載されているサメです。
サメの保全に対して消極的な日本ですら、ヨゴレについては中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)管轄水域(中西部太平洋海域)、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)管轄水域(東部太平洋海域) 、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)管轄水域(インド洋海域) 、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)管轄水域(大西洋海域) などの海域でのヨゴレの採捕(さいほ)、船上保持が禁止されており、生きて漁獲された個体については可能な限り生存放流することが推奨されています。
せっかく規制しても投棄された漁具がゴーストギアとなり海を漂い続けることで、絶滅危惧種のサメもゴーストフィッシングの犠牲になってしまうのです。
ゴーストギアのロープが絡まったアオザメ
環境省の「III.海洋環境への影響に係る調査結果 」にて、サメのゴーストフィッシングの事例が取り上げられています。
サンディエゴ沖でゴーストギアのロープを体に巻き付けたオスのアオザメ(Isurusoxyrinchus)が発見されました。
このアオザメの発見時の状況は次のとおり。
ロープが食い込んだ背面に深い擦り傷 アオザメに巻き付いていたのは3本の撚り合わせた天然繊維でできた太さ1.9cmロープです。
このロープが食い込んだことにより背面に大きな傷があったそうです。
背骨が左右に弯曲 ロープ自体の重さとそれに付着するフジツボ重みが原因と考えられる背中の側弯がみられたようです。
栄養不足 アオザメは栄養不足に陥っていたようです。
ロープに絡まったことによりアオザメは遊泳能力が低下、それが原因でエサの捕獲率が低下していることが予想されました。
また、ロープの絡まりによる直接的な影響として、大きな獲物の飲み込みにも支障があるものと考えられました。
アオザメに絡まっていたロープ アオザメに絡まっていたロープには、4種52個の外洋性フジツボが付着。
フジツボの成長速度からこのロープが少なくとも150日間以上巻きついていることが推定されました。
アオザメのその後 アオザメからゴーストギアのロープを取り外した後、追跡タグをサメに装着して54日間の健康状態の経過を観察しました。
その結果、最初の数日間は通常の遊泳パターンと異なっていたものの、その後通常の遊泳パターンに戻ったことから順調に回復したとみられています。
にゃぶり
参照:Effects of prolonged entanglement in discarded fishing gear with substantive biofouling on the health and behavior of an adult shortfin mako shark, Isurus oxyrinchus
ゴーストフィッシング対策 ゴーストフィッシング対策としては、漁具流出を予防すること、流出漁具を回収すること、生分解性プラスチックによる新しい漁具を利用することなどが挙げられます。
生分解性プラスチックは、通常のプラスチックと同様の耐久性を持ち、使用後は自然界に存在する微生物の働きで最終的に二酸化炭素(CO2)と水にまで完全に分解されます。
そのため、生分解性プラスチックによる新しい漁具の利用はゴーストフィッシング対策として一番理想的な対策にみえますが、開発コストや普及に向けてはまだ課題が残っているようです。
また、分解されるといっても流出漁具になった途端に分解されるわけではなく時間はかかるため、現状では漁具流出の予防や回収をすることが最善の対策なのではないでしょうか。
海や魚のためにできること わたしたちは魚を獲るために漁に出る必要はありませんが、魚を獲ってきてもらっているという立場上、海の上で起きていることの責任を漁業関係者にだけ押し付けるわけにはいきません。
ゴーストフィッシングに対しては何もできないかもしれませんが、海洋ゴミを減らすことはできるのです。
では、わたしたちが海や魚のためにできることにはどんなことがあるのでしょうか。
ポイ捨てしない 毎年少なくとも800万トンのプラスチックゴミが海に流れ込んでいます。
海の生きものたちはプラスチック廃棄物や細かくなったマイクロプラスチックを摂取していることがわかっています。
ポイ捨てされたゴミはやがて川から海へと流れていきます。
どうしてもゴミ箱が見つからないときには自宅に持ち帰り捨てるようにしましょう。
海の生きものに関心を持とう 魚食を通じて、海の生きものに関心をもつということも大切です。
美味しいお魚を食べたとき、これから先もずっとお魚を食べていきたいと思いませんか?
海を守ることは美味しい食を守るということにもつながっていくのです。
未利用魚を積極的に食べることもおすすめです。
未利用魚
未利用魚とは?種類の一覧や廃棄の問題についても解説 海に囲まれた日本では魚介類は主要な食料資源であり、魚食文化が形成されてきたにも関わらず、魚の消費は落ち込んでいます。 また近年、SDGsやフードロスなど観点から未利用魚が問題視されているのをご存知です ...
続きを見る
【魚のフードロス削減】未利用魚をサブスクで食べよう!Fishlle!(フィシュル) Fishlle!(フィシュル)とは、十分な水揚げ量が無かったり、形が悪かったり傷がついていたり等の理由で価値が付かず、流通される前段階で通常の流通に乗らなくなってしまった未利用魚を活用したサブスクです。
未利用魚はなんと総水揚げ量の約30〜40%にも!
未利用魚の活用は、食べ物を粗末にしない、資源を無駄なく利用していこうという点でフードロスの削減になります。
フィシュルならミールパックだけでも旬なお魚や未利用魚をそのまま楽しむことができますが、アレンジレシピお届け!
絶滅の危機にある生き物を知ろう IUCNレッドリストやワシントン条約などを学び、絶滅の危機にある生き物を知ることも、海や魚のためにできることのひとつです。
MUSEA BLOGでは、絶滅危惧種のサメについて『絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ【2021年10月版】 』、『ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について 』などの記事で解説しています。
ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について ワシントン条約(CITES)とは ワシントン条約(CITES / サイテス:Convention on International Trade in Endangered Species of Wil ...
続きを見る
絶滅危惧種のサメの種類とは?IUCNレッドリストのまとめ【2023年12月版】 国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると現在サメ・エイの37%が絶滅の危機に瀕しています。 このブログでは、レッドリストの種類、IUCNレッドリストと環境省レッドリストの概要、IUCNレッド ...
続きを見る
生きものに会いに行こう 水族館の生きものに会いに行きましょう。
地球にはいろいろな生きものが共生していることを実感することも、海や魚のためにできることのひとつです。
水族館ブログ
水族館の見どころ
2024/12/17
沖縄美ら海水族館で世界初!水族館生まれのブラックマンタの親仔展示開始!2024年12月10日より
沖縄美ら海水族館で、世界で初めて水族館生まれのブラックマンタの赤ちゃんが誕生しました! 2024年8月5日、「黒潮の海」大水槽で生まれたこの子マンタは真っ黒!親子そろってのブラックマンタは世界初なんです。 誕生直後から大切に育てられ、現在は体盤幅216cm、体重79kg大きな体になりました。親子一緒に泳ぐ姿を見られるのは、世界中で沖縄美ら海水族館だけ! ブラックマンタの親仔(誕生時) 沖縄美ら海水族館ではこの度、世界初となる水族館で生まれたブラックマンタ(和名:ナンヨウマンタ)の展示を開始しましたのでお知 ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/12
2024年12月30日~2025年2月24日マクセルアクアパーク品川が雪の世界に
品川駅から徒歩約2分。 水族館内に広がる幻想的な雪景色。寒さ極まる今年の冬は、暖かな屋内で“季節”を感じる没入体験を。 『NAKED SNOW AQUARIUM』、12月30日(月)~2025年2月24日(月・祝)まで開催! 2024年12月30日~2025年2月24日『NAKED SNOW AQUARIUM』 『マクセル アクアパーク品川』(所在地:東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内、館長:山田亜希子)は、2024年12月30日(月)~2025年2月24日(月・祝)までの期間、冬のシーズ ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/15
アクアパーク品川のノコギリエイ
わたしが人生で一番通い詰めているといっても過言ではない「マクセル アクアパーク品川」。都心でたくさんのサメを見るならアクアパーク品川!ですが、サメと同じ板鰓類のノコギリエイたちもすごい! 今回のブログでは、アクアパーク品川のトンネル水槽の中でも圧倒的な存在感を誇るノコギリエイたちを紹介します! アクアパーク品川のノコギリエイはどこにいる? アクアパーク品川のノコギリエイたちは、2Fリトルパラダイス(サメ水槽)付近のトンネル水槽「ワンダーチューブ」にいます。 「ワンダーチューブ」はどんな水槽? 「ワンダーチ ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/9
2024年11月23日〜12月25日マクセルアクアパーク品川で生きものたちと星空の海のクリスマス!
『マクセル アクアパーク品川』(所在地:東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内、館長:山田亜希子)は、2024年11月23日(土・祝)~12月25日(水)の期間、クリスマスイベントとして「NAKED STAR AQUARIUM(ネイキッド スターアクアリウム)」を開催します。 一年で最も華やぐホリデーシーズン。カラフルな装飾やイルミネーションに彩られた景色は日常がどこか特別に感じられ、気分を高揚させてくれます。当館でも同シーズンはロマンチックな“星空の海”を演出テーマに、生きものの魅力がより輝 ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/9
横浜・八景島シーパラダイスで今夏バンドウイルカの赤ちゃん3頭目誕生!
『横浜・八景島シーパラダイス』の水族館「ふれあいラグーン」では、7月21日に1頭目、8月7日に2頭目、そして8月29日に3頭目のバンドウイルカの赤ちゃんが誕生いたしました。 3頭のバンドウイルカの赤ちゃんは、現在同じプールでそれぞれの母親に寄り添って元気に泳いでいます。 イルカの親子がくらす「ふれあいラグーン」は、人との仕切りを可能な限り取り除き、海の生きものたちと“ふれあい体験”ができる水族館であり、間近でイルカたちが自由に泳ぎ回る姿を見ることができます。 3組の親子が同じプールで一緒に泳ぐ様子を見られ ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/9
2024年9月13日〜11月17日マクセルアクアパーク品川の秋の新イベントで紅葉狩り!
品川駅から徒歩約2分。都心で生きものたちと楽しむ“紅葉狩り” 紅葉アートに染まる“から紅の海”で【お月見】【芸術の秋】【食欲の秋】など秋らしさをまるごと楽しめるコンテンツをご用意しました! イベント概要 『マクセル アクアパーク品川』(所在地:東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内、館長:山田亜希子)は、2024年9月13日(金)~11月17日(日)の期間、秋のシーズナルイベントとして「NAKED MOMIJI AQUARIUM (ネイキッド モミ ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/12
2024年7月13日〜9月8日夏のマクセルアクアパーク品川は涼しい水族館内で花火に夏祭り!
涼しい水族館内で“夏のエンタメ”をまるごと楽しめる、夏のアクアパーク。 海の世界の花火祭り 美しさを増した“海の世界の花火祭り”の中で、さまざまな体験コンテンツをご用意しました。 イベント概要 『マクセル アクアパーク品川』(所在地:東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内、館長:山田亜希子)は、2024年7月13日(土)~9月8日(日)の期間、夏のシーズナルイベントとして「NAKED 花火アクアリウム」(ネイキッド花火アクアリウム)」を開 ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/9
2024年4月25日(木)〜6月30日マクセルアクアパーク品川が薔薇色に染まる『ベルサイユのばら』コラボイベント開催
エントランスを彩る大階段、魚たちの舞踏会、名シーン水槽が並ぶ薔薇の庭園など麗しい“ベルばら”の世界観に浸り、作画やドラマチックなストーリーを介して、楽しく生きものの魅力をお伝えします! イベント概要 『マクセル アクアパーク品川』(所在地:東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内、館長:山田亜希子)は、2024年4月25日(木)~6月30日(日)の期間、池田理代子氏の漫画作品『ベルサイユのばら』とのコラボイベント「アクアパークのばら-いざ美しき海の舞踏会へ!の巻-」を開催します。 漫画から派生し ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/9
2024年3月2日(土)〜4月19日春のマクセルアクアパーク品川は水族館で海の世界のお花見!
『マクセル アクアパーク品川』(所在地:東京都港区高輪4-10-30品川プリンスホテル内、館長:山田亜希子)は、2024年3月2日(土)~4月19日(金)の期間、春のシーズナルイベントとして「NAKED SAKURA AQUARIUM(ネイキッド サクラアクアリウム)」を開催します。 春爛漫の華やかな情景が広がる、お花見シーズンが到来!1年に1度の春の風物詩を満喫すべく、さまざまな商品やコンテンツがあふれる中、当館は水族館ならではの一味違った“海の世界のお花見”を展開します。 エントランスからパフォーマン ...
ブログを読む
水族館の見どころ
2024/12/7
キンプリロケ地!アクアワールド茨城県大洗水族館をサメ担ティアラが紹介(髙橋海人のバイトレ2023年10月21日放送回)
今回のブログでは、サメ担ティアラのわたしが2023年10月21日放送、キントレの人気コーナーKing & Princeのバイトレで髙橋海人くんが飼育員のバイトをしたアクアワールド茨城県大洗水族館のことを詳しく解説します!! ロケ地巡りに行きたい人必見です。 🦈2023年10月21日放送、キントレの見逃し配信はこちら Tver キントレ が見放題! | Hulu(フールー) キントレの2023年10月21日放送回のロケ地の水族館は? 明日ひる1時30分からは #キントレ💰#KingandPrince ...
ブログを読む
漁業の問題に関心がある人におすすめの本 魚が食べられなくなる日 / 勝川俊雄 東京海洋大学准教授の勝川俊雄さんの本。
漁業の問題が平易な表現で解説されているので知識がない人でもサクサク読める本です。
乱獲の問題に関心がある人におすすめ。
日本の漁業が崩壊する本当の理由 / 片野歩 水産会社社員の片野歩さんの本。
Q & A形式でわかりやすく漁業の問題を解説。
現役漁師親子を交えた座談会は読み応えあり。
サメの保全などに関するブログ
絶滅危惧種のサメや魚
2024/12/17
サメの赤ちゃんを救う人工子宮の小型化に成功(沖縄美ら島財団)
沖縄美ら島財団の研究チームが、サメの赤ちゃんをお母さんザメの胎内のように安全に育てるための「小型」のサメの人工子宮装置を独自開発し、その成果を国際的な学術誌で発表しました。この新しく開発された「小型」のサメの人工子宮装置により、これまで困難だった胎仔の長時間搬送が可能となり、今後は海上で救助された早産胎仔を遠くに運んで育てるなど、将来的に絶滅危惧種の保全に役立つことが期待されています。 サメの人工子宮装置とは 今回、新たに作成した「小型」人工子宮装置の全容 一般財団法人沖縄美ら島財団は、2017年より胎性 ...
ブログを読む
絶滅危惧種のサメや魚
2024/12/17
ツマグロが絶滅危惧種なのはなぜ?その理由を解説
ツマグロ(Carcharhinus melanopterus)は、背びれの先が黒く、丸みを帯びたフォルムがかわいいサメです。水族館では、ツマグロの愛らしい姿の虜になってしまいます。 ところが、ツマグロが絶滅危惧種だということをご存知ですか? 今回のブログでは、ツマグロがなぜ絶滅危惧種になってしまったのか、その理由について詳しく解説します。 ツマグロ英名:Blacktip reef shark / 学名:Carcharhinus melanopterus ツマグロ(Carcharhinus melanopt ...
ブログを読む
シロワニが絶滅危惧種なのはなぜ?その理由を解説
シロワニといえば、水族館でおなじみの大型のサメですが、世界中で乱獲され、その個体数が激減していることをご存知ですか? IUCNレッドリストでは、三段階ある絶滅危惧種のうち最も絶滅の危機に直面している深刻な危機(CR / Critically Endangered)と評価されている絶滅危惧種のサメなのです。 今回のブログでは、シロワニが絶滅危惧種なのはなぜなのか、その理由を解説します! シロワニが絶滅危惧種なのはなぜ シロワニが絶滅危惧種なのはなぜなのか。その理由は以下の3つです。 乱獲 繁殖力の低さ 生息 ...
ブログを読む
ヨゴレが絶滅危惧種なのはなぜ?その理由を解説
ヨゴレ(英名:Oceanic Whitetip Shark / 学名:Carcharhinus longimanus) は、外洋に分布するサメです。 危険なサメとして有名なヨゴレ。 ところが、ヨゴレの個体数は世界中で98%以上減少したと推定されており、絶滅危惧種と評価されているサメです。 今回のブログでは、ヨゴレはなぜ絶滅危惧種なのかということを解説します! ヨゴレ(サメ)はなぜ絶滅危惧種なのか ヨゴレ(サメ)は、かつては外洋で多く見ることのできましたが、すべての海洋で個体数が急激に減少しており、ヨゴレの ...
ブログを読む
絶滅危惧種のサメや魚
2024/12/17
自然と生物多様性の豊かさが過去50年間で73%減少!地球は危険な転換点に直面、2030年までの取り組みが鍵
自然と生物多様性の豊かさが過去50年間で73%減少、地球は危険な転換点に直面、2030年までの取り組みが鍵。 世界自然保護基金(WWF)インターナショナルは、2024年10月10日に『生きている地球レポート2024 -自然は危機に瀕している-』を発表しました。この報告書は、地球の生物多様性の健全性を調査したもので、深刻な現状を明らかにしています。 生物多様性の急激な減少 WWFインターナショナルは、10月21日(月)よりコロンビアのカリで開催される国連の生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)を前に ...
ブログを読む
海の環境問題
2025/1/5
サメの数が25倍に!海洋保護区(MPA)の成功事例インドネシアのミソール海洋保護区
インドネシアのミソール海洋保護区では、禁漁区を設けたところ、魚の数が増加するという嬉しい結果が出ています。魚は移動するため、保護区にずっといるわけではありませんが、禁漁区の設置は海の生態系に良い影響を与えているようです。 美味しい魚をこれからもずっと味わうためには、人間と自然が共存できる社会を作ることはとても大切です。 今回は、海洋保護区(MPA)の成功事例として、インドネシアのミソール・マリン・ホープ・スポットを例に解説します。 ミソール海洋保護区のこれまで かつては乱獲、フカヒレ 漁、無秩序な破壊的漁業 ...
ブログを読む
サメの保全(保護)
2024/12/7
サメが絶滅危惧種になってしまった原因とは?
サメといえば獰猛で恐ろしい海のハンターというイメージを持っている人も多いかもしれません。 ところが、世界の海に生息するサメの個体数はここ50年間で大きく減少しています。 水族館でおなじみのシロワニやアカシュモクザメ、ジョーズで有名なホホジロザメなども実は絶滅危惧種なのです。 今回は、多くのサメが絶滅の危機に直面している原因について解説します。 絶滅危惧種とは? 絶滅危惧種とは、絶滅のおそれのある野生生物のことです。 この絶滅危惧種をまとめたものがレッドリスト(正式名称:絶滅のおそれのある種のレッドリスト) ...
ブログを読む
海の環境問題
2024/11/29
地球温暖化によるサメへの影響をわかりやすく解説
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書は、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と結論づけました(文部科学省及び気象庁,2022)。 さらに、2023年7月には、世界の平均気温が観測史上最高記録を大幅に更新。 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が訪れた」と発言し、警鐘を鳴らしました。 世界の平均気温は産業革命前からすでに1.1℃上昇しており、このままでは2030年代には1.5℃に達する可能性があり、海は ...
ブログを読む
サメの保全(保護)
2024/12/7
サメ保護論はいつから?歴史や背景をわかりやすく解説
世界サメ図鑑 (2010年)によると、人間によって漁獲されるサメの数は年間で5,000万〜1億匹にもなるとみられています。 また、サメの種数は557種類ほどいますが、そのうちのおよそ30%にあたる168種が絶滅危惧種と評価されています。 サメの保護論を耳にしたことがある人は多いかもしれませんが、そのはじまりがいつだったのかを知る人はいないのでは? 今回のブログでは、サメの保護論のはじまりのきっかけやサメの保護が必要になった理由、時代背景などをわかりやすく解説します。 サメ保護論のはじまり かつてはサメの保護 ...
ブログを読む
海の環境問題
2025/1/9
海水温の上昇や乱獲の影響による魚やサメの小型化についてわかりやすく解説
魚の小型化とは 魚の小型化とは、その言葉のとおり魚が小さくなるということです。 その原因として考えられている理由は次のとおり。 乱獲 地球温暖化で海水温が上昇したことによる酸素不足 そうなのです。 魚の小型化の原因には、乱獲と地球温暖化で海水温が上昇したことによる酸素不足のふたつが考えられます。 乱獲は人間が海からの恵みを過剰に獲りすぎたため、温暖化に関しては近代的な人間活動により二酸化炭素を多く排出してしまったためです。 乱獲による魚の小型化 混獲や乱獲などにより魚の個体数が減少すると、小型・若齢で成熟 ...
ブログを読む
海の環境問題
2024/12/7
海洋酸性化とは?仕組み、原因、サメへの影響、対策をわかりやすく解説
海洋酸性化とは 海洋酸性化とは、二酸化炭素量が増えることで海水が酸性になっていくことです。 なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。 海洋酸性化を英語でいうと? 海洋酸性化は英語で“ocean acidification”といいます。 oceanは「海洋」、acidificationは「酸性化」なので、そのままの意味ですね。 英語での読み方は、「オーシャン・アシディフィケイション(発音)」です。 海洋酸性化のメカニズム 引用:気象庁「海洋の炭素循環」各数値は炭素重量に換算したもので、黒の矢印及び数 ...
ブログを読む
海の環境問題
2024/12/7
ゴーストフィッシングとは?サメの事例、対策などについてわかりやすく解説
ゴーストギアとゴーストフィッシングの違い ゴーストギアとゴーストフィッシングの違いは次のとおり。 ゴーストギアは流失漁具(漁網など)の道具こと ゴーストフィッシングはゴーストギアによって引き起こされる海の生き物たちへの危害のこと ゴーストギアとは? ゴーストギアとは、海で投棄、紛失、放置された持ち主のいない流失漁具(漁網やロープなど)のことです。 このゴーストギアは太平洋ゴミベルトを漂う海洋ゴミの46%を占めています。 ゴーストギアの原因は? ゴーストギア発生の原因は、 海が悪天候で大荒れしたときに漁具を ...
ブログを読む
サメの保全(保護)
2024/12/12
OCEARCH(オーサーチ)についてわかりやすく解説
サメのニュースを見ているときに、OCEARCH(オーサーチ) の名前を目にすることはありませんか? 今回のブログでは、OCEARCH(オーサーチ) についてわかりやすく解説します。 OCEARCH(オーサーチ)とは https://youtu.be/K-JgapGeijc OCEARCH(オーサーチ)とは、グローバルに活動する非営利団体です。 サメの保護とサメから人間を守ることを目的として活動しています。 公式サイト:https://www.ocearch.org/tracker/ いつ設立されたの? OCE ...
ブログを読む
サメの保全(保護)
2024/11/29
ホホジロザメで有名なグアダルーペ島についてわかりやすく解説
サメのドキュメントが好きな人におなじみのグアダルーペ島 。 ホホジロザメがいっぱいいることやケージダイビング が有名なイメージを持っている人が多いのでは。 今回のブログでは、グアダルーペ島 についてわかりやすく解説します。 ホホジロザメで有名なグアダルーペ島とはGuadalupe Island グアダルーペ島(Guadalupe Island)は、メキシコのバハ・カリフォルニア州沖に浮かぶ火山島(休火山)です。 ホホジロザメの有名な生息地であることから別名『シャークアイランド』とも呼ばれています。 どんな島?人 ...
ブログを読む
海の環境問題
2024/12/20
乱獲とは?問題点や解決策をわかりやすく解説
乱獲とは 乱獲の読み方は「らんかく」です。 魚を乱獲することを英語では“overfishing”といいます。 乱獲の意味をわかりやすく 乱獲の意味は、魚や鳥や野生動物などの生きものを過剰に捕獲することです。 希少な野生植物や人間が使用するものの原料に用いられる植物の過剰な伐採なども含まれます。 乱獲により動植物を過剰に捕獲、伐採することで次世代の資源が増加する速度(再生産速度)をこえてしまい個体数を維持することが難しくなり、次世代の個体数が徐々に減っていき、やがては絶滅してしまうのです。 乱獲は世界的な問 ...
ブログを読む
海の環境問題
2025/1/14
IUU漁業の問題や対策をわかりやすく解説
IUU漁業とは IUUは以下の単語の頭文字をとっています。 Illegal(違法) Unreported(無報告) Unregulated(無規制) IUU漁業とは、違法、無報告、無規制な漁業のことです。 たとえば、乱獲、密漁、強制労働などによる人権侵害、違法な漁具や漁法を使用する漁など水産資源の保全・管理に関する法的規制に違反して行われている漁業のことをいいます。 意味 例 違法(Illegal) 国や漁業管理機関の許可なくまたは国内法や国際法に違反して行う漁業 漁獲枠の無視、違法な漁具や漁法での漁業( ...
ブログを読む
海の環境問題
2024/11/29
2048年には魚がいなくなる?魚を食べられなくなる未来になりそうな理由とは
乱獲による資源の枯渇、生態系バランスの悪化、絶滅危惧種の混獲、ゴーストフィッシング、海洋汚染など海はさまざまな問題を抱えています。 今回のブログでは、海と魚の問題について考えてみます。 海と魚の問題 はじめに海と魚の問題について考えてみます。 魚がいなくなった? 1945年10月16日に設立された『国連食糧農業機関(FAO / The Food and Agriculture Organization of the United Nations)』は、1950年以来、約200カ国で収集した漁獲データを『世 ...
ブログを読む
サメの保全(保護)
2024/12/7
ワシントン条約(CITES / サイテス)のリストに掲載されたサメ類と日本の対応について
ワシントン条約(CITES)とは ワシントン条約(CITES / サイテス:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)とは、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約のことです。 このワシントン条約では、絶滅の恐れのある野生動植物の貿易を制限することで、これらの種を保全することを目的としています。 一般的にはアフリカゾウ、トラ、パンダなどの陸上の動物を保護しているイメージが強いかも ...
ブログを読む
サメの保全(保護)
2022/12/13
【海の食物連鎖】サメの生態系での役割とは?
サメの生態系での役割とは サメは高い栄養段階にいる高次捕食者であり、生態系・群集の要となる種です。 高次捕食者であるサメたちが栄養段階の低い下位生物群(サメより小さな魚)を食べることで、生態系・群集のバランスを保つという重要な役割を担っています。 また、サメによる下位生物群の消費は数のバランスを保つということだけではありません。 高次の捕食者であるサメが、下位生物群のうち、弱っている個体や病気の個体など、生存競争に勝てない生き物を食べることで、健全な生き物を生き残らせるという役割を果たすのです。 このよう ...
ブログを読む
海の環境問題
2024/12/6
サメの保全と環境問題〜SDGsとのつながりとは
今回は、サメの保全と環境問題、SDGs とのつながりについて解説します。 サメと人間の関係 世界的大ヒット映画『ジョーズ』のイメージでサメを恐ろしい人食いザメと思っている方も多いのではないでしょうか。 実際に、わたしがサメ好きというと、 「ジョーズのイメージしかない」 「人食いザメのどこがいいの?」 といわれてしまうこともしばしば。 人食いザメと恐れられるサメですが、人間にとって危険なサメはホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの3種類をはじめとしたごく一部のサメです。 外洋に住むヨゴレも危険なサメといわ ...
ブログを読む
多くのサメが絶滅の危機に直面している原因とは? VIDEO
サメといえば獰猛で恐ろしい海のハンターというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?ところが、世界の海に生息するサメの個体数はここ50年間で大きく減少しています。水族館でおなじみのシロワニやアカシュモクザメ、ジョーズで有名なホホジロザメなども実は絶滅危惧種なんです。
今回の動画では、多くのサメが絶滅の危機に直面している原因についてお話しします。