
にゃぶね、今日ガブッと読んだのは、
Romero-Caicedoさんたちの「Illegal artisanal longline use in the Galapagos Marine Reserve characterized through monitoring and control data」という論文にゃ。
ガラパゴス海洋保護区では、サメなどの保護種を混獲するおそれがあるため、2000年から延縄の使用が禁止されているにゃ。
でも、2018年から2024年までの監視記録を調べると、禁止された延縄が現在も継続的に使われていたことが確認されたにゃ。
🌊 海のルールが守られないとき、保護区は機能するの?
ガラパゴス海洋保護区(GMR)は、生物多様性の保全だけでなく、観光や漁業など複数の利用を認めている海洋保護区にゃ。
地域の漁業そのものが禁止されているわけではないにゃ。
ただし、サメ、エイ、ウミガメ、海鳥などを混獲する危険が高い延縄は、保護区内で禁止されているにゃ。
それでも、ガラパゴス国立公園局の監視活動では、海中に設置された延縄や、船上に積まれた延縄が毎年発見されていたにゃ。
🐟 延縄漁とは?多数の針が保護種も捕らえるにゃ
延縄漁は、長い幹縄から多数の枝縄と釣り針を下げて魚を捕る漁法にゃ。狙った魚を効率よく捕れる一方で、サメ、エイ、ウミガメ、海鳥などが針にかかる混獲が問題になるにゃ。
ガラパゴス海洋保護区では、保護種の違法捕獲や混獲を防ぐため、2000年から延縄の使用が禁止されているにゃ。
今回の研究で確認されたのは、禁止後も続いていた違法な延縄の使用にゃ。
海中で発見された延縄の約34%には、少なくとも1個体の保護種がかかっていたにゃ。
記録された捕獲個体には、サメ、Mobula属のエイ、ウミガメ、その他のエイ、アホウドリなどが含まれていたにゃ。
サメでは、絶滅危惧IA類のアカシュモクザメのほか、ヨシキリザメやオナガザメ属も確認されているにゃ。
🌍 海洋保護区で続く漁業と、延縄をめぐる対立
ガラパゴス海洋保護区は、自然を完全に人間活動から切り離した海ではないにゃ。
地域の漁業者は、マグロやメカジキなどの大型浮魚類を漁獲しているにゃ。
その一方で、漁業者側からは延縄の合法化や、より収益性の高い漁業機会を求める声も出てきたにゃ。
研究では、違法延縄が使われた個々の理由や、漁業者の生活状況を直接調査したわけではないにゃ。
だから、「生活のために仕方なく違反した」と決めつけることもできない。
でも、違反を取り締まるだけでなく、保護種への影響が少ない漁具や、漁業収入を支える別の選択肢を考える必要もあるにゃ。
🛰️ 7年分の監視データから違法延縄を調べたにゃ
研究チームは、ガラパゴス国立公園局が2018年から2024年に集めた4つのデータベースを組み合わせたにゃ。
- 海上で実施された監視・取締活動の記録
- 延縄など禁止漁具の発見・違反記録
- 違反船のAISによる移動記録
- ガラパゴスの港に水揚げされた魚種と重量の記録
AISは、船の識別情報、位置、速度、進行方向などを送信する仕組みにゃ。
ガラパゴス海洋保護区で操業する漁船には、操業中のAIS使用が義務づけられているにゃ。
この研究では、延縄が発見された日とAIS記録を照合し、違反船が信号を送っていたかどうかも調べたにゃ。
🔍 監視記録から見えた違法延縄の実態
2018年から2024年までの監視では、1年あたり平均18本の延縄が発見されたにゃ。
最も少なかった2018年は5本、最も多かった2020年は30本だったにゃ。
明確な季節パターンは確認されなかったけれど、巡視回数を考慮した違反発見率は、2021年から2024年にかけて上昇していたにゃ。
研究で確認された主な結果は次のとおりにゃ。
- 海中で発見された延縄の34%に、少なくとも1個体の保護種がかかっていた。
- 延縄に関係した船は41隻で、そのうち7隻は複数回の違反が確認された。
- 違反確認時の69%で、該当船のAISが停止していた。
- 延縄が確認された航海の79%では、帰港後の水揚げ記録がなかった。
- 違反船は大型浮魚類を対象とする地域の零細漁船の17%を占めていた。
- 違反船による大型浮魚類の水揚げは、全体の平均約30%を占めていた。
AISを停止していた割合は、複数回の違反があった船で83%、1回だけ確認された船で62%だったにゃ。
延縄が多く発見された海域でAIS信号が少なかったことから、研究者たちは、違法操業を隠すためにAISを意図的に停止していた可能性を指摘しているにゃ。
ただし、AISの信号が消える原因には機器や通信の問題もあり、すべての停止理由を個別に確定できたわけではないにゃ。
🌋 違法延縄が多かったのは生産性の高い海域にゃ
違法延縄は、ガラパゴス海洋保護区の広い範囲で確認されたにゃ。
特に多かったのは、次のような海域にゃ。
- イサベラ島南側の海底谷
- サンタ・クルス島東側の海山
- ピンソン島、イサベラ島、サンティアゴ島の間
- ダーウィン島、ウルフ島周辺
海底谷、海山、急斜面などがある場所では、海の生産性が高まり、マグロやメカジキなどの大型魚が集まりやすくなるにゃ。
漁業者にとっては漁獲を期待できる場所だけれど、サメ、エイ、海鳥などの保護種にとっても重要な生息地にゃ。
さらに、島から遠い場所では監視船に発見される可能性が低くなる。
研究者たちは、こうした海域へ監視活動や遠隔監視を重点的に配分する必要があると指摘しているにゃ。
🧮 にゃぶのサメ関数オペレーションズ・リサーチ[巡視配分型]
今回の研究は、オペレーションズ・リサーチと相性がいいにゃ。
ガラパゴス国立公園局が使える監視船、人員、燃料、時間には限りがある。
そこで、「どこを、いつ、どのくらい監視すれば、違法延縄と保護種への被害を効率よく減らせるか」を考えるにゃ。
Zは、監視活動によって得られる全体的な効果を表す目的関数にゃ。違法延縄が多い場所、AIS停止が繰り返される船、保護種の重要生息地に監視を配分すると、発見や抑止の効果が高くなるにゃ。一方で、遠い海域へ巡視船を出すほど燃料や人員のコストも増えるにゃ。
このモデルで決めるのは、次のようなことにゃ。
- どの海域へ巡視船を優先的に送るか
- どの時間帯や季節に監視を増やすか
- どの船のAIS停止を重点的に確認するか
- 海上巡視、AIS分析、港での水揚げ確認をどう組み合わせるか
ただし、違反が多かった場所だけを監視すると、操業場所が別の海域へ移る可能性もあるにゃ。
重点監視に加えて、予測されにくい巡視や、港での水揚げ確認、出入港記録との照合を組み合わせる必要があるにゃ。
📜 結論:禁止を機能させる監視と代替策が必要にゃ
この研究が示したのは、「禁止しても意味がない」ということではないにゃ。
延縄の禁止には、サメ、エイ、ウミガメ、海鳥などを混獲から守る明確な理由があるにゃ。
問題は、禁止された漁具が継続的に使われ、違反船のAIS停止や水揚げの未報告も確認されていることにゃ。
研究者たちは、次のような対策が必要だと述べているにゃ。
- 違法延縄が多い海域を狙った監視・取締活動
- AIS、出入港記録、水揚げ記録を組み合わせた確認
- 違反を繰り返す船への重点的な監視
- 漁獲物がどこで、どの漁具によって捕られたかを確認できる追跡可能性の向上
- 漁業者が規則を自発的に守るための参加型管理
- 一本釣りなど、保護種への影響が少ない漁具の検討
- 地域市場や飲食店との連携、漁船による別サービスなど、収入源を多様化する取り組み
🎓 にゃぶのFAQ:サメと違法延縄の海で考える5つの問い
Q1:この研究では何を調べたの?
Q2:AISが切れていたら、必ず違法漁なの?
Q3:延縄漁そのものが全部悪いの?
Q4:どうすれば違法延縄を減らせるの?
Q5:観光にも関係があるの?
🐚 にゃぶりのガブっとコメント:違反を止め、その先の漁業も考えるにゃ
にゃぶ、この研究を読んで思ったにゃ。
違法延縄は、保護種を捕獲し、海洋保護区の目的を弱める行為にゃ。
だから、違反は違反として止める必要があるにゃ。
でも、取締りだけで問題が終わるわけでもないにゃ。
なぜ延縄の合法化を求める声が続くのか。
保護種への影響を減らしながら、地域の漁業をどう続けるのか。
漁業者、研究者、管理機関、地域住民が参加して、守れる仕組みをつくる必要があるにゃ。
🎓 博士帽メダル授与
今日のヒレメダルは「見えない漁を見える化した監視ヒレ賞」にゃ!
海上巡視、AIS、水揚げ記録。
ばらばらのデータを合わせると、見えなかった違反の動きが浮かんできたにゃ。
🔖 参考ヒレ・出典
論文タイトル:Illegal artisanal longline use in the Galapagos Marine Reserve characterized through monitoring and control data
著者:Andres Romero-Caicedo ほか
掲載誌:Frontiers in Marine Science, Volume 12
公開日:2025年9月22日
DOI:10.3389/fmars.2025.1636476
URL:https://doi.org/10.3389/fmars.2025.1636476

