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海の環境問題

サメの数が25倍に!海洋保護区(MPA)の成功事例インドネシアのミソール海洋保護区

2023年10月12日

インドネシアのミソール海洋保護区では、禁漁区を設けたところ、魚の数が増加するという嬉しい結果が出ています。魚は移動するため、保護区にずっといるわけではありませんが、禁漁区の設置は海の生態系に良い影響を与えているようです。
美味しい魚をこれからもずっと味わうためには、人間と自然が共存できる社会を作ることはとても大切です。
今回は、海洋保護区(MPA)の成功事例として、インドネシアのミソール・マリン・ホープ・スポットを例に解説します。

ミソール海洋保護区のこれまで

【海洋保護区(MPA)の成功例】ミソール・マリン・ホープ・スポット(インドネシア)

  • かつては乱獲、フカヒレ漁、無秩序な破壊的漁業が野放しになっていた
  • シンガポールの約2倍の広さの海洋保護区に

乱獲、フカヒレ漁、破壊的漁業が野放しに

かつて、乱獲、フカヒレ漁、破壊的漁業により、地球上で最も重要で生物多様性に富むサンゴ礁が脅かされていました。2005年、ミソールと地元コミュニティは、バトビティム島をリゾート地としてリースする契約を結びました。また、リゾート島を取り囲む広大な海域もリースし、この契約により、この地域で活動していたサメ漁を行う漁師たちを追い出すことに成功しました。

シンガポールの約2倍の広さの海洋保護区

その後、ミソール財団が事業を拡大し、現在では世界の海洋生物多様性の中心に位置する30万エーカー(約1,220平方キロメートル)の海洋保護区を管理しています。これはシンガポールの約2倍の広さに相当します。保護区は2つの禁漁区と、漁具の使用が制限されたエリアで構成されています。
海洋保護区は地元のレンジャーチームがパトロールして、それを海洋警察がバックアップしています。実地でのパトロールに加え、レーダーやドローンを使用した監視により、海洋保護区を常時警戒しています。

ミソール・マリン・ホープ・スポットとは

ミソール・マリン・リザーブ・ホープ・スポット(Misool Marine Reserve Hope Spot)は、海洋保護区(MPA)の成功例として注目されています。この保護区は、インドネシアのラジャ・アンパット諸島にあり、保護政策の実施後に魚の数が増加するなど、顕著な成果を上げています(Misool Marine Reserve Hope Spot)。

ミソールの保護政策

ミソール・マリン・リザーブ・ホープ・スポット(Misool Marine Reserve Hope Spot)では、以下のような厳格な保護政策が実施されています。

  • 漁業の禁止
  • ウミガメの卵の採取禁止
  • ダイナマイト漁法の禁止
  • シアン化物を使用した漁法の禁止
  • 網漁の禁止
  • サメ漁の禁止

これらの保護政策は、海洋生態系の保護と回復を目的としています(Misool Marine Reserve Hope Spot)。

保護活動の成果

保護政策の実施により、ミソール・マリン・リザーブ・ホープ・スポット(Misool Marine Reserve Hope Spot)では以下のような成果が報告されています。

  • 魚の数の増加
  • 海洋生態系の回復
  • 生物多様性の向上

これらの成果は、人間の活動が海洋生態系に与える影響の大きさと、適切な保護政策の重要性を示しています(Misool Marine Reserve Hope Spot)。

サメの数が海洋保護区外の25倍に

2007年以来、ミソール海洋保護区内のいくつかの場所で魚類のバイオマスを分析するために行われた科学的調査のデータによると、魚類バイオマスは2007年から2021年の間に平均して248%増加しました。また、2012年に行われた別の研究では、ミソール海洋保護区内にはそのすぐ外よりも25倍多くのサメがいることが判明。嬉しいですね!
さらに、ミソールのマンタの個体数は10年間で2倍になり、データベースには1730匹が登録されています。(ミソール財団

ミソール近海に生息しているサメ

  • ツマグロ
  • マモンツキテンジクザメ

など。

他の海洋保護区での成功例

ミソール・マリン・リザーブ・ホープ・スポット(Misool Marine Reserve Hope Spot)の成功は、他の地域の海洋保護区でも同様の成果が得られる可能性を示唆しています。
たとえば、インドネシアのバーズ・ヘッド・シースケープは、海洋生物多様性の世界的なホットスポットであり、600種以上のサンゴ種と約2,000種のサンゴ礁の魚種が生息しています。急速に成長している観光地であり、350,000万人以上の人々に生計と年間2万米ドルの経済を支えています。ところが、その世界的および国家的な重要性にもかかわらず、バーズ・ヘッド・シースケープの約462,000ヘクタールに及ぶ重要な生息地と生態系は保護されておらず、生物多様性の損失、破壊的で違法な漁業、乱獲、観光、気候変動などにより、地元の生活と州および全国の観光収入が危険にさらされていました。
このバーズ・ヘッド・シースケープで、海洋保護区(MPA)の管理を改善したことにより、以下のような成果が報告されています(リーフレジリエンス)。

  • 破壊的な漁業が大幅に減少
  • 魚のバイオマスの回復の兆し
  • サンゴ群集の安定と繁栄

結論

ミソール・マリン・リザーブ・ホープ・スポット(Misool Marine Reserve Hope Spot)の事例は、適切な保護政策と管理が海洋生態系の回復と保全に大きな効果をもたらすことを示しています。この成功例は、他の海洋保護区にとっても重要な参考事例となり、世界中の海洋保護活動に希望を与えています。

参考文献

1.リーフレジリエンス『インドネシア–MPA管理|サンゴ礁の回復力』
2.『Misool Marine Reserve Hope Spot
3.Misool Foundation『misool marine reserve

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シャーク・アクティビストReinoとにゃぶり

シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 好きなものは、7 MEN 侍、SixTONES、永瀬廉(King & Prince)。ブログの執筆と監修を行っています。

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