IUU漁業とは IUUは以下の単語の頭文字をとっています。
Illegal(違法) Unreported(無報告) Unregulated(無規制)
にゃぶり
IUU漁業の読み方は「アイ・ユー・ユーぎょぎょう」だよ!
IUU漁業とは、違法、無報告、無規制な漁業のことです。
たとえば、乱獲、密漁、強制労働などによる人権侵害、違法な漁具や漁法を使用する漁など水産資源の保全・管理に関する法的規制に違反して行われている漁業のことをいいます。
IUU漁業にはどんなものがある? IUU漁業には以下のようなものがあります。
禁止されている漁法を行う(例:シャークフィニング) 海洋保護区(MPAs)での漁業 規制や漁獲枠を無視する 絶滅危惧種を対象とした漁業 漁獲高を報告しない、または過少報告や虚偽の報告をする サイズの小さい魚や規則で保護されている魚を捕獲する 禁漁区や禁漁期間中の漁業、禁止されている漁具を使用する 沿岸国の許可を得ていない漁船による操業 貨物船への無許可の積み替え(例:魚の移し替え)を行う 産地偽装(例:外国産のアサリを一時的に国内の海で短期間飼育し産地偽装) IUU漁業の問題と被害 IUU漁業の問題について考えてみましょう。
IUU漁業は経済的損失が大きい IUU漁業は違法、無報告、無規制の漁業であるため経済的損失を正確にはかることは困難でしょう。
アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)によると、IUU漁業による経済的損失は毎年数10億ドル、あるいは数100億ドルに上ると推察されています(NOAA, “Understanding Illegal, Unreported, and Unregulated Fishing” )。
数10億ドル〜数100億ドルを日本円(2022年12月18日時点)に直すと、
10億ドルは、約1,367億2,409万785円 100億ドルは、約1兆3,672億4,090万7,848円 となります。
こうして日本円で見てみると、IUU漁業による経済的損失がいかに巨大なものであるのかがよくわかりますね。
IUU漁業由来の水産物は通常、安価で販売されるため、正規の漁業者の利益を大きく損なっています。これにより、合法的な漁業者の収益が圧迫されてしまいます。アメリカでの研究によると、IUU漁業を排除できれば、漁業者の収益は20%上昇すると算定されています(WWF.2022 )。
このことから、IUU漁業が合法的な漁業者から多大な利益を奪っていることがよくわかりますね。
乱獲の原因になる IUU漁業は乱獲の原因になります。
海洋生物にとって大きな脅威なだけではなく、海洋資源が減ることにより漁業の衰退にもつながっていきます。
また、乱獲は種の絶滅を助長し、海の生態系のバランスを崩してしまいます。
たとえば、フカヒレ を目的としたサメ漁やマグロやカツオと混獲されることが多いサメ類は554種のうち、およそ30%弱にあたる167種が絶滅危惧種とIUCNレッドリストで評価されています。
魚の数が減る 規制や漁獲枠を無視して根こそぎ魚を獲ってしまうと、当然ながら魚の量が減ってしまい産まれる卵の数も減ります。
これから卵を産むはずの小さい魚(若齢魚)をたくさん獲れば、それだけ次世代の魚が減ってしまいます。
生態系を破壊する 海洋生物の保全を目的とした海洋保護区(MPAs)での密漁は生態系の破壊へとつながります。
また、外国産のアサリを一時的に国内の海で蓄養(短期間飼育)し、産地偽装を行うことは干潟の生態系に悪影響を及ぼすおそれがあります。
その理由は、外来種を干潟にばらまいているからです。
干潟にまいたアサリをひとつ残らず回収することは困難でしょう。
人権侵害の問題 IUU漁業は、しばしば人身売買の一種である強制労働や組織犯罪、人権侵害を伴うことが多いとみられています。
規則を遵守するまっとうな漁業者が利用できる水産資源がIUU漁業によって奪われてしまうと地域の漁業が崩壊する可能性があります。
特に漁業管理の整備がまだ不十分な発展途上国の小規模漁業が被害を受けやすいとされています。
IUU漁業への対策は? 次にIUU漁業への対策について考えてみましょう。
魚のトレーサビリティ IUU漁業への対策として世界で取り組みが進んでいるのが水産物のトレーサビリティです。
水産物のトレーサビリティでは漁獲した魚が正規の漁獲物であることを輸入時に確認します。
そのため、水産物のトレーサビリティが機能すればIUU漁業による違法な漁獲物が国際的に流通することを阻止することができるのです。
にゃぶり
売る手段がなければIUU漁業の意味もなくなるもんね!
日本のIUU漁業への対策は? 多くの水産物を輸入している日本では、すでにIUU漁業でとられた魚が出回っている可能性もあります。
そこで日本がIUU漁業に対してとった対策が2022年12月1日から施行された「水産流通適正化法」です。
この法律をわかりやすくいうと、IUU漁業由来の魚の国内流通を防止するというものです。
この法律は、違法に採捕された水産動植物の流通により国内水産資源の減少のおそれがあること及び違法に採捕された水産動植物の輸入を規制する必要性が国際的に高まっていることに鑑み、違法に採捕された水産動植物の流通を防止するため、取扱事業者間における情報の伝達並びに取引記録の作成及び保存並びに適法に採捕されたものである旨を証する書類の輸出入に際する添付の義務付け等の措置を講ずることにより、特定の水産動植物等の国内流通の適正化及び輸出入の適正化を図り、もって違法な漁業の抑止及び水産資源の持続的な利用に寄与し、漁業及びその関連産業の健全な発展に資することを目的としています。
引用:水産庁『特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律』
引用:NHKクローズアップ現代「知っていますか?「IUU漁業」が世界中で問題に 」
にゃぶり
いえいえ、そうもいってられません。
水産流通適正化法で日本が規制するのは、たったの7種類です。
日本では、国内水産物のアワビ、ナマコ、シラスウナギに加えて、IUU漁業が行われるおそれが大きい魚種を特定第二種水産動植物(イカ、サンマ、サバ、マイワシ)を規制対象にしました。
これによって、イカ、サンマ、サバ、マイワシを輸入するときには相手国の政府機関発行の適法採捕証明書等の添付を義務付けられます。
また、相手国が第三国で加工した水産物を輸入する場合は、輸入時に加工した国の政府機関等が発行した加工申告書等の添付も義務付けます。
にゃぶり
IUU漁業の危険がある魚を規制したんでしょ?これでよくにゃい?
残念ながら、日本の水産流通適正化法は諸外国と比較すると、かなりのスロースタートです。
たとえば、EUではすでに全魚種が規制対象となっており、米国も全魚種の規制に向けて進んでいます。
にゃぶり
そうなのです。
日本がのんびりしている間にEUの27カ国はすでに全魚種を規制対象にしています。
わたし
にゃぶり
EUの27カ国では、IUU漁業の可能性がある全魚種を受け入れてもらえません。
そうなると、ターゲットになるのは7種類しか対策しておらず規制のゆるい日本なのです。
2021年には、英語版の共同通信 にて、中国まぐろ漁船によるIUU漁業が明らかになりました。
この中国まぐろ漁船では、世界の多くの国で原則禁止されている漁法のシャークフィニングや人権侵害が横行していたと乗務員が報告。
また、過去に日本の大手商社である三菱商事がこの中国まぐろ漁船からマグロを購入していたこともこの記事では明らかになっています。
2020年4月以降は購入していないとのことですが、今もなお日本ではマグロは規制されていません。
マグロだけではなく、規制されている魚類が少なく対策もゆるい日本はIUU漁業による水産物が国内流通するリスクにさらされているのです。
2年後の2024年12月に水産流通適正化法の見直しがされるタイミングで、全魚種が規制の対象になるのを願うばかりです。
IUU漁業の問題に関心がある人におすすめ IUU漁業の問題に関心がある人におすすめの本や記事です。
漁業の問題に関心がある人におすすめの本 魚が食べられなくなる日 / 勝川俊雄 東京海洋大学准教授の勝川俊雄さんの本。
漁業の問題が平易な表現で解説されているので知識がない人でもサクサク読める本です。
乱獲の問題に関心がある人におすすめ。
日本の漁業が崩壊する本当の理由 / 片野歩 水産会社社員の片野歩さんの本。
Q & A形式でわかりやすく漁業の問題を解説。
現役漁師親子を交えた座談会は読み応えあり。
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