「シュモクザメの仲間は全部同じに見えてしまう」という方のために今回のブログでは、アカシュモクザメとシロシュモクザメの違いだけではなく、シュモクザメ9種の特徴も紹介します!これであなたもシュモクザメの見分けがつくようになるはず!
アカシュモクザメとシロシュモクザメとの違いはどこ?見分け方は?
一見同じようにしか見えないシュモクザメ。
実は前頭部(ハンマー)の部分をよく見ると少し違いがあるんです。
Aのシロシュモクザメの頭の図:FAO. (2013). Sharks, batoids and chimaeras of the North Atlantic. FAO Species Catalogue for Fishery Purposes. No. 7. Rome, FAO. 289 pp.
(A)シロシュモクザメはハンマーの部分の中央にくぼみがありません。
(B)アカシュモクザメ(Scalloped hammerhead)はハンマーの部分にホタテガイの縁のように波を打った少しカーブ(scalloped)があり中央にくぼみがあります。
(C)ヒラシュモクザメはハンマーの部分がほぼ直線になっています。
(D)ウチワシュモクザメはハンマーの部分がスコップのように大きくカーブしているのでわかりやすいのではないでしょうか。
シュモクザメの仲間にはどんなサメがいるの?
シュモクザメの仲間は2属9種です。
ここではざっくりとシュモクザメの仲間について紹介します!
アカシュモクザメ学名:Sphyrna lewini、英語名:Scalloped Hammerhead Shark
- 標準和名
- アカシュモクザメ
- 英語名
- Scalloped Hammerhead
- 英語名の読み方
- スカラップド・ハンマーヘッド・シャーク
- 学名
- Sphyrna lewini
- 学名の読み方
- スフィルナ・レウィニ
- 保全状況(IUCN)
- 絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)
- ワシントン条約(CITES)
- 附属書Ⅱ
- 最大全長
- 4.3m
アカシュモクザメは(Sphyrna zygaena)は、最大全長3.7〜4.3mの大型のシュモクザメです。
12月〜5月ごろまで日本最西端の島の与那国島で群れを見ることができることでも有名です。1~3月は200匹以上の群れに会えることもあるとか。また、神子元島でも遭遇率が上がっているとか。
ハンマーヘッドの部分にホタテガイの縁のように波を打った少しカーブがあり中央にくぼみがあります。
アカシュモクザメの解説は『アカシュモクザメは人食いサメ?特徴、生息地、他のシュモクザメとの違いをわかりやすく解説』をどうぞ!
シロシュモクザメ学名:Sphyrna zygaena、英語名:Smooth Hammerhead Shark
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- 標準和名
- シロシュモクザメ
- 英語名
- Smooth Hammerhead
- 英語名の読み方
- スムース・ハンマーヘッド・シャーク
- 学名
- Sphyrna zygaena
- 学名の読み方
- スフィルナ・ジガエナ
- 保全状況(IUCN)
- 絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)
- ワシントン条約(CITES)
- 附属書Ⅱ
- 最大全長
- 4m
シロシュモクザメは(Sphyrna zygaena)は、最大全長4mの大型のシュモクザメです。
そのサイズはヒラシュモクザメに次ぐ大きさです。
沿岸および外洋に広く分布しています。
ハンマーヘッドの真ん中に切れ込みがないのが特徴です。
ヒラシュモクザメ学名:Sphyrna mokarran、英語名:Great Hammerhead Shark
- 標準和名
- ヒラシュモクザメ
- 英語名
- Great Hammerhead
- 英語名の読み方
- グレート・ハンマーヘッド・シャーク
- 学名
- Sphyrna mokarran
- 学名の読み方
- スフィルナ・モカラン
- 保全状況(IUCN)
- 絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)
- ワシントン条約(CITES)
- 附属書Ⅱ
- 最大全長
- 6m
ヒラシュモクザメは(Sphyrna mokarran)は、最大全長5.5〜6mの大型のシュモクザメです。
海外のダイバーの方の写真の多くはヒラシュモクザメです。
ハンマーの部分がほぼ直線になっているのが特徴です。
ウチワシュモクザメ学名:Sphyrna tiburo、英語名:Bonnethead Shark
- 標準和名
- ウチワシュモクザメ
- 英語名
- Bonnethead Shark
- 英語名の読み方
- ボンネットヘッド・シャーク
- 学名
- Sphyrna tiburo
- 学名の読み方
- スフィルナ・ティブロ
- 保全状況(IUCN)
- 絶滅危惧種:危機(EN / Endangered)
- ワシントン条約(CITES)
- なし
- 最大全長
- 1.5m
ウチワシュモクザメは(Sphyrna tiburo)は、最大全長1.5mの小型のシュモクザメです。
西部大西洋と東部太平洋の浅い沿岸水域に分布しています。
ハンマーヘッドの部分がスコップのように大きくカーブしているのが特徴です。
ウチワシュモクザメはシュモクザメの中で最も個体数増加率が高く、他のサメ種よりも漁獲死亡率の影響を受けにくいようです(IUCN, 2023)。
スクープヘッド・シャーク学名:Sphyrna media、英語名:Scoophead Shark、1940年
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スクープヘッド・シャーク(Sphyrna media)は最大全長150cmのシュモクザメです。
メキシコ・カリフォルニア湾からペルー北部までの東部中央・南東太平洋と、パナマからブラジル南部までの西部中央・南西大西洋に分布、沿岸から水深100mまでの大陸棚上の海域に生息しています。
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)です。
スモールアイ・シャーク学名:Sphyrna tudes、英語名:Smalleye Hammerhead、1822年
スモールアイ・シャーク(Sphyrna tudes)は全長150cmくらいのシュモクザメです。
コロンビアからアルゼンチンのリオ・デ・ラ・プラタまでの西部中央および南西大西洋に分布、水深5~80mの大陸棚の沿岸水域に生息しています。
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)です。
カロライナ・ハンマーヘッド学名:Sphyrna gilberti、英語名:Carolina Hammerhead、2013年
カロライナハンマーヘッド(Sphyrna gilberti)は北西大西洋アメリカのサウスカロライナやフロリダの沿岸水域に生息する珍しいサメです(Quattro et al.)全長69cmまでの小型のサメ。見た目はアカシュモクザメ(Sphyrna lewini)にそっくりですが遺伝子レベルでは別のサメ。全分布範囲と深度範囲は不明。情報不足種(DD / Data Deficient)
カロライナ・ハンマーヘッドとアカシュモクザメの違いは脊椎骨の数なので体の中を見ないとわからないということです・・・!視覚的に区別できないため、カロライナ・ハンマーヘッドがアカシュモクザメと誤認されている可能性があるようです(IUCN, 2023)。
スカラップド・ボンネットヘッド学名:Sphyrna corona、英語名:Scalloped Bonnethead、1940年
ハンマーヘッドの中でも最小種の部類に入りそう。最大体長は、92cm。大陸棚、おそらく沿岸に分布。
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)です。
インドシュモクザメ学名:Eusphyra blochii、英語名:Winghead Shark、1816年
インドシュモクザメは、シュモクザメの中でも頭のハンマーの幅が広く、全長の40~50%に相当。最大体長は2mほど。
絶滅危惧種:危機(EN / Endangered)です。
(1)IUCN. (2023). Sphyrna tiburo (Bonnethead Shark). The IUCN Red List of Threatened Species 2023, https://www.iucnredlist.org/species/39387/205765567
(2)IUCN. (2023). Sphyrna gilberti (Carolina Hammerhead). The IUCN Red List of Threatened Species 2023, https://www.iucnredlist.org/species/152783714/172115852