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サメを学ぶ

海面からこんにちは!ホホジロザメやイタチザメなどのスパイホップでもっとサメが好きになる

2021年3月5日

イルカやシャチが海面から顔を出す行動はよく知られていますが、実はホホジロザメなど一部のサメ類でも同様の行動が観察されています。この行動は「スパイホップ(spy-hopping)」と呼ばれ、水面上の状況を確かめるための調査行動と考えられています。
この記事では、スパイホップとは何か、ホホジロザメがスパイホップする目的、そして報告されているサメの種類などについてわかりやすく解説します。

にゃぶり
にゃぶり
気になるにゃねー!

スパイホップとは

スパイホップ(Spy-hopping)とは、水中にいる生きものがほぼ垂直の姿勢で頭部を水面上に突き出す行動を指します。もともとはシャチやクジラ、イルカなどの海棲哺乳類でよく知られている行動です。

一般的には、水面近くで起きている出来事を観察するための行動と考えられています。

このスパイホップは海洋哺乳類に特有のものと思われがちですが、実は一部のサメ類でも報告されています。たとえば、ホホジロザメ(Great White Shark / Carcharodon carcharias)やヨゴレ(Oceanic Whitetip Shark / Carcharhinus longimanus)などが、海面から頭を出す様子が記録されていますWildlife Online

サメ類の中では、とくにホホジロザメでの観察報告が比較的多く、船の周囲やアザラシのコロニー付近で見られることがあります。

スパイホップの目的とは?

シャチやイルカ、クジラなどの海棲哺乳類がスパイホップを行うときには、上の図のように水面から垂直に頭を突き出します。多くの海洋研究者は、この行動を「水面付近で起きている出来事を観察するため」と解釈しています(National Geographic Society)。

名古屋港水族館ホームページ<公式>のスタッフブログでは、シャチのスパイホップをわかりやすい図解で紹介しています。

名古屋港水族館ホームページ

出典:名古屋港水族館ホームページ<公式>
名古屋港水族館ホームページ<公式>では、この画像以外にもスパイホップについて丁寧に解説されています。ぜひ元記事もご覧ください。

ホホジロザメはスパイホップして何を見ているのでしょうか。

船の上のわたしたち?
岩の上のアザラシ?
それとも、ただ「なんだろう?」と思っただけ?

サメたちがスパイホップする目的は、はっきりとは分かっていません。
でも、少なくとも「ただの反射行動」ではなさそうです。

スパイホップするサメの種類は?

この「スパイホップ」は、ホホジロザメやヨゴレなど一部のサメ類でも確認されています(Wildlife Online)。そのほかにも、イタチザメやガラパゴスザメがスパイホップする様子が記録されています(Juan Oliphant)。

なぜホホジロザメたちもスパイホップするのか

かわいすぎるホホジロザメのスパイホッピング

かわいすぎるホホジロザメのスパイホッピング

にゃぶり
にゃぶり
なになに?

わたし
わたし
(にゃぶり感が・・・)

ここまで紹介してきたように、スパイホップはシャチやイルカ、クジラなどの海産哺乳類ではよく知られた行動です。
では、なぜホホジロザメやイタチザメ、ガラパゴスザメ、ヨゴレなどのサメたちも、同じように海面から顔を出すのでしょうか。3つの視点で考えてみます。

餌を探している

ホホジロザメが頭を水面から出し、周囲を見渡す「スパイホップ」は、おもに餌を探すために行われると考えられています。ホホジロザメの好物であるミナミアフリカオットセイは岩場に生息しているため、水面上から位置を確認することは、理にかなった狩りの方法だと考えられています(Tourism Tattler)。

ホホジロザメの場合、この行動はしばしばボートの周囲で展示され、まるで甲板上の活動を見ようとするかのようである。 また、アザラシのコロニー周辺、特にアザラシやアシカが岩の上に停泊しているときにも記録されている。停泊中の鰭脚類のまわりをスパイホッピングするのは、襲撃を受けやすい岩から水中へ追い払うための戦術ではないかと指摘されている。しかし同様に、サメが餌になりそうな岩場を調べようとしているのかもしれない

引用:Elasmobranch Behaviour

岩の上にいるアザラシを威嚇して水中へ追い落とし、襲撃しやすくするための戦術だという指摘もあります。ただし、単に岩場を調査している可能性もあり、動機が一つに断定されているわけではありません。また、ホホジロザメは一度の襲撃で仕留められなければ成功率が下がるとされているため、水面上や岩場の状況を把握することは、エネルギー効率の面でも合理的だと考えられています(Wildlife Online)。

にゃぶり
にゃぶり
アザラシ、アザラシ、どこにゃ?

船が気になる

ホホジロザメは見慣れないものに対して調査行動を示すことがあります。ボートのエンジン音や船上の人々の声、振動などを察知し、何が起きているのか確認するように頭を水面上へ出すことがあると報告されています(White Shark Ocean)。実際に、ある個体は調査船に乗った人間が着ていた「赤いジャケット」に反応して近づいた例や、GoProカメラが発する微弱な電気信号に反応した可能性が指摘される事例も紹介されています(SHARKSAFE BARRIER, White Shark Ocean)。

いくつかの種のサメは、頭を水面上に出して水中でほぼ垂直にぶら下がることが知られている。この行動は船に近づくサメの間ではよく知られており、餌を探していると解釈されている。空気と水の屈折率の違いから、サメが細部を識別できる可能性は低いが、形はほぼ確実に識別できる。

引用:Elasmobranch Behaviour

このことから、スパイホップは単なる捕食行動だけではなく、周囲の状況を把握するための調査行動である可能性も示唆されています。

にゃぶり
にゃぶり
にゃぶりは人間の言葉がわかるにゃよ!

好奇心という見方も

ホホジロザメは、船やボートの周囲でスパイホップを行うことも多く、まるで甲板にいる人間たちの様子を覗き見しているかのようです。つまり、ホホジロザメがスパイホップを行う理由は、単に獲物を探すだけでなく、見慣れないものに好奇心を持って近づき、それが何かを確かめようとしているのかもしれません(White Shark Ocean)。

にゃぶり
にゃぶり
サメたちもニンゲンのことを「調査」してるのかにゃ!

ホホジロザメのスパイホップは水面の上に何か気になるものがあったとき、それが安全なのか、それとも警戒すべきものなのかを確かめようとしているようにも見えます。

ホホジロザメのよく知られている行動の中に見慣れないものに噛み付いてみるという行動があります。これはわたしたちが手で触れて、それが何かと確認するようなものです。もしかすると、スパイホップもそのような確認行動のひとつなのかもしれません。魚類というだけでサメは空虚な生き物のように見られがちですが、人間が思うよりも知性が発達しているのだとしたら、おもしろいですよね。

にゃぶり
にゃぶり
にゃぶりは人間の言葉がわかるにゃよ!

サメたちのスパイホップ動画や画像

サメたちのスパイホップ動画や画像をまとめました。

ホホジロザメのスパイホップ

ホホジロザメが海面から顔を出すスパイホップの動画がこちら。想像していたよりもずっと長く、水面から顔を出しているのが印象的です。

イタチザメのスパイホップ

イタチザメのスパイホップです。
イタチザメがこういう行動をするサメということは知りませんでした。

わたし
わたし
感動です!!!

にゃぶり
にゃぶり
もっとサメのことをわかってもらえたら嬉しいな!

Juan OliphantさんのInstagramはサメの写真は今まで見たことのない表情・姿を見せてくれるので新たな発見ばかりで楽しいです。

今週は「怖さ」じゃなくて「事実」をシェアしよう。「ドラマ」じゃなくて「リスペクト」を。

空中でカメラとサメが出会う瞬間。 #wholenewworld

この子はシャークID「Kalihi」。お気に入りの1匹。Kalihiと、水の中でも外でも一緒にいるところを、@lau_z_foto が撮ってくれたよ。

https://www.instagram.com/p/CD0nu6uDtJW/

この写真の「目が合う感じ」が大好き。
このイタチザメは、外洋でのダイビング中 @oneoceandiving のボートの上から人が見ているのを、ちゃんと分かってる。
イタチザメって、思った以上にシャイで慎重なことが多くて、いつも感心する。

わたしたちが水に入る頃には、@natseamonkey が9歳の妹にちなんで #LexiTheTigerShark と名付けたこの子は、慎重に何度か様子見のパスをして、そのままスッと消えていった。
たぶん、わたしたちの存在と、そこにいた住人の #GalapagosSharks(ガラパゴスザメ)たちの縄張りっぽいボディランゲージに、ちょっと気圧されたんだと思う。

好奇心があるのに、どこか切なげに見える目がたまらない。
それに、顔を出して「アロハ」って言うみたいに鼻先(吻)を水面に出したとき、水がすーっと流れ落ちたのが本当にきれいだった。

この子の訪問写真は、同じ日に一緒に潜った #freediver #biologists #photographers #conservationist のみんなのアカウントでもこれからシェアされる予定。お楽しみに。

https://www.instagram.com/p/BdHBUQmDKAD/

ガラパゴスザメのスパイホップ

どうやら今年の元日は、One Ocean Diving(@oneoceandiving)でこんな光景が見られそう。海面は鏡のように穏やかで、最高のコンディション。
相棒のアンディ(@andycorbe)が撮ったこの一枚が大好き!好奇心旺盛なガラパゴスザメが、まるでクジラみたいに水面から頭を出しているんだ。
#サメを守ろう(#helpsavesharks) サメは海の『白血球』。私たちにはサメが必要です!

https://www.instagram.com/p/BdahMhBDZeO/

おわりに

わたしが好きで命名したかわいいサメターン、スパイホップなどかわいい表情を見せてくれるサメたち。
もしかすると、海の上を見上げるサメたちの目は、わたしたちをちゃんと見ているのかもしれません。
今後もサメのスパイホップの情報を強化していきます!

にゃぶり
にゃぶり
にゃぶりも友だちのサメに聞いてくるにゃね!

参考文献・引用元一覧

  1. Oliphant, J. (@juansharks) Instagram profile. https://www.instagram.com/juansharks/ (accessed 2021-03-05).
  2. Wildlife Online. "Elasmobranch Behaviour." https://www.wildlifeonline.me.uk/animals/article/elasmobranch-behaviour (accessed 2021-03-05, 2026-02-18).
  3. National Geographic Society. "Gray Whale Spyhop." https://www.nationalgeographic.org/media/spyhopping/ (accessed 2021-03-05).
  4. Tourism Tattler. "Great White Shark Behaviour." (December 6, 2019). https://www.tourismtattler.com/great-white-shark-behaviour/ (accessed 2026-02-18).
  5. White Shark Ocean. "White Shark Spy Hopping." https://whitesharkocean.com/blogs/sharks/white-shark-spy-hopping (accessed 2026-02-18).
  6. SharkSafe Barrier™. "What is Spy-hopping?" https://www.sharksafesolution.com/product/what-is-spy-hopping/ (accessed 2026-02-18).
  7. Azevedo, O. M., et al. "Sex Differences in the Individual Behaviour of Bait-Attracted White Sharks (Carcharodon carcharias, Linnaeus, 1758) Are Linked to Different Environmental Factors in South Africa." Biology, 11(12), 1735 (2022). https://doi.org/10.3390/biology11121735 (accessed 2026-02-18).

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シャーク・アクティビストReinoとにゃぶり

シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 海やサメ以外で好きなのは、橋本涼さん(B&ZAI)。海属性の人が好き。

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