映画でよく見る、海面から顔を出すホホジロザメの姿。実は、野生のホホジロザメも海面から顔を出す行動をするってご存知でしたか?
今回は、ホホジロザメも海面から顔を出す「スパイホップ」について解説します!
スパイホップとは
スパイホップを一言で説明すると、クジラ、シャチ、イルカなどの海産哺乳類が海面から顔を出している状態のことです。
このブログでは、なぜクジラ、シャチ、イルカなどの海産哺乳類やホホジロザメ、イタチザメ、ガラパゴスザメなどの数種類のサメたちがスパイホップするのかについて解説します。
スパイホップの目的
名古屋港水族館ホームページ<公式>のスタッフブログの画像がわかりやすいので紹介します。
名古屋港水族館ホームページ<公式>では、この画像以外にも数枚シャチのスパイホップについてわかりやすくイラストで紹介しているので、元記事も是非ご覧ください。
シャチやイルカやクジラなどの海棲哺乳類がスパイホップするときには上の図のように水から垂直に頭を突き出します。
ほとんどの海洋学者は、スパイホッピングはシャチやイルカやクジラたちが水面の近くで起きていることを観察しているのだと考えています(Ref.1)。
なぜホホジロザメたちもスパイホップするのか
ここまで紹介してきたようにススパイホップはシャチやイルカやクジラなどの海産哺乳類におなじみの行動ですが、ホホジロザメ、イタチザメ、ガラパゴスザメ、ヨゴレなど何種類かのサメもスパイホップをします。
船が気になる
いくつかの種のサメは、頭を水面上に出して水中でほぼ垂直にぶら下がることが知られている。この行動は船に近づくサメの間ではよく知られており、餌を探していると解釈されている。空気と水の屈折率の違いから、サメが細部を識別できる可能性は低いが、形はほぼ確実に識別できる。
サメが水面から顔を出す『スパイホップ』という行動は、船に近づいた際に頻繁に見られるのが興味深いですね。
気になるのは、サメの目から見たわたしたちの姿ですが、残念ながら、空気と水の屈折率の違いから、サメはわたしたちを鮮明に見ることはできません。
しかし、だいたいの形や動きは捉えていると考えられます。つまり、サメから見れば、わたしたちは皆、ぼんやりとした影のように見えるのかもしれませんね。
餌を探している
ホホジロザメの場合、この行動はしばしばボートの周囲で展示され、まるで甲板上の活動を見ようとするかのようである。 また、アザラシのコロニー周辺、特にアザラシやアシカが岩の上に停泊しているときにも記録されている。停泊中の鰭脚類のまわりをスパイホッピングするのは、襲撃を受けやすい岩から水中へ追い払うための戦術ではないかと指摘されている。しかし同様に、サメが餌になりそうな岩場を調べようとしているのかもしれない
ホホジロザメが頭を水面から出し、周囲を見渡す「スパイホップ」は、おもに餌を探すために行われると考えられています。巨大なホホジロザメが海面から顔を出して、アザラシなどの獲物を探す様子は圧巻ですね。
好奇心という見方も
ホホジロザメは、船やボートの周囲でスパイホップを行うことも多く、まるで甲板での人間の活動を覗き見しているかのようです。
つまり、ホホジロザメがスパイホップを行う理由は、単に獲物を探すだけでなく、見慣れないものに好奇心を持って近づき、それが何かを確かめようとしているのかもしれません。見慣れないものに噛み付いてみて、それが何かと確認するときのように、周囲の状況を把握しようとしている可能性があります(Ref.2)。
このようなホホジロザメの行動は、単なる狩猟本能だけでなく、強い好奇心や学習能力が関わっている可能性を示唆しています。
魚類というだけでサメは空虚な生き物のように見られがちですが、人間が思うよりも知性が発達しているなんてことがあったらおもしろいですよね。
サメたちのスパイホップ動画や画像
サメたちのスパイホップ動画や画像をまとめました。
ホホジロザメのスパイホップ
ホホジロザメが海面から顔を出すスパイホップの動画がこちら。想像していたよりもずっと長く、水面から顔を出しているのが印象的です。
イタチザメのスパイホップ
イタチザメのスパイホップです。
イタチザメがこういう行動をするサメということは知りませんでした。
Juan OliphantさんのInstagramはサメの写真は今まで見たことのない表情・姿を見せてくれるので新たな発見ばかりで楽しいです。
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今週は恐怖ではなく事実を、ドラマではなく敬意を共有しよう。 カメラとサメが空中で出会う。 #wholenewworld これはサメのIDカリヒ。 写真は私のブラッダ @lau_z_foto がカリヒと水中で撮ったもの。
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この写真の目と目が合うところが好きだ。このイタチザメは、@oneoceandiving との遠洋ダイビング中、ボートから見ている人たちに気づいている。タイガーがどれほど臆病で用心深いかにいつも感心させられる。私たちが海に入ったとき、このトラ(@natseamonkey)は、9歳の妹にちなんで、このトラザメ#LexiTheTigerSharkと名付けました。彼女は慎重に何度か通り過ぎた後、私たちの存在とそこに住む#GalapagosSharksの縄張り意識のあるボディランゲージに圧倒されたように姿を消しました
私は彼女の好奇心に満ちた悲しげな目と、挨拶のために頭を出したときに鼻先から水が弾ける様子が大好きだ。
「挨拶のために頭を出したとき」ということはやはり好奇心なのでしょうか。
ガラパゴスザメのスパイホップ
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これが私たちの元旦の日の様子です。@oneoceandiving。 最高のコンディションです。 仲間の@andycorbeが撮った、クジラのように頭を海から出した好奇心旺盛なガラパゴス・シャークの写真が大好きです。 #helpsavesharks サメは海の白血球です。 わたしたちにはサメが必要です!
おわりに
わたしが好きで命名したかわいいサメターン、スパイホップなどかわいい表情を見せてくれるサメたち。
今後もサメのスパイホップの情報を強化していきます!
参考文献
(2)Wildlife Online“Elasmobranch Behaviour”、2021年3月5日に閲覧。