「水族館でヨゴレに会ってみたい!」
そんな夢を持つサメ好きは多いのでは?
結論からいうと、残念ながらヨゴレがいる水族館はありません。
今回のブログでは、ヨゴレが水族館にいない理由、ヨゴレを飼育したことのある水族館について解説します。
ヨゴレが水族館にいない理由は?
ヨゴレが水族館にいない理由は以下の2つ。
- ヨゴレは飼育例が少ない
- ヨゴレは絶滅危惧種
ヨゴレは飼育例が少ない
ヨゴレは飼育例が少ないサメです。
水族館でのヨゴレの飼育期間は最大3年ですが、世界中を見渡しても飼育実績がほとんどありません。
もしも日本の水族館がヨゴレの飼育を試みた場合、うまくいく可能性もあるのではないかと個人的には考えています。しかしながら、ヨゴレは個体数が減少したため、まぐろ類の地域漁業管理機関(RFMO)で管理され、混獲時に生存放流が推奨されているということもあり、水族館で飼育という状況を作ることが困難なのではないかと思います。
ヨゴレは絶滅危惧種
ヨゴレは絶滅危惧種です。
IUCNレッドリストでヨゴレは、三段階ある絶滅危惧種のうち、もっとも絶滅に近い「絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)」と評価されています。
ヨゴレの個体数の減少は、太平洋の一部の地域で86%から90%以上、大西洋とメキシコ湾では57%から88%にと大きくその数が減少しています(Young et al、2016)。
また、ヨゴレはすべてのまぐろ類の地域漁業管理機関(RFMO)において船上保持が禁止されており、生きて漁獲された個体については可能な限り生存放流することが推奨されています(水産庁、2016)。
これらのことから、水族館がヨゴレを受け入れること自体が困難だといえます。
ヨゴレを飼育したことのある水族館
過去に「ヨゴレ」を展示したことのある日本の水族館は、沖縄県の「国営沖縄記念公園水族館(現在の美ら海水族館)」のみです。
2024年11月現在、「ヨゴレ」を展示している水族館はありません。
水族館 | 飼育期間 | メモ |
---|---|---|
モントレーベイ水族館 | 2000年10月〜2003年12月22日 | バハカリフォルニア沖で捕獲。2003年12月22日、細菌感染で死亡するまで3年以上生き、その間に159cmから190cmまで30cmほど成長。 |
モントレーベイ水族館 | 飼育期間不明 | 約50cm成長。 |
ワイキキ水族館 | 1992年9月21日〜1994年1月10日 | オスの子ザメを直径6mの水槽で飼育。翌日イカを食べた。死亡時の体重は4.5kg。 |
コーラル・ワールド・バハマ | 1989年5月〜1990年10月にリリース | 1時間半かけて輸送されたオスの個体。輸送中はほとんど動かず、良好な状態で到着。水槽に入れると、すぐに泳ぎ始めた。ペレスメジロザメが数匹と大型ナースシャークが数匹を飼育中のドーナツ型展示水槽(~200'000ガロン)で飼育。2、3日でイカや新鮮な魚を食べるようになった。数か月後、大きなイカ以外のものを食べなくなった。飼育1年後、大きな胸ビレで水槽の壁をこするようになり、それが化膿して治らなくなり、この状態はさらに悪化したため海に返した。 |
ジャカルタ水族館 | 飼育期間不明 | スリランカ付近で捕獲された1.0m程度の2匹を2日間かけてジャカルタまで輸送。2匹とも全長約1.5mになるまで飼育されたが原因不明の死亡。 |
国営沖縄記念公園水族館 (美ら海水族館) | 1979年8月に開館した旧館にて展示。飼育期間は不明。 | 1978年から飼育されていたオオメジロザメに頭を噛まれて死亡。展示中の出来事だった。 |