メガマウスザメと地震の関連性とは
メガマウスザメに限らず、リュウグウノツカイなどの深海魚の発見、クジラやイルカの異常行動などは地震の前兆といわれがちですが、科学的な根拠が示されたことはありません。
大きな地震の前に珍しい深海魚が発見されたり、クジラやイルカの異常行動が目撃されたり、温泉の温度に変化が起きたりという経験知がいくつかあるのもまた事実ですが、今のところメガマウスザメの発見と大きな地震の発生は結びついていないのが現実です。
また、メガマウスザメと地震の関連を科学的に証明するためには一定数の個体に追跡タグの装着などが必要であると考えられますが、2022年現在までに273匹しか発見されていないサメにそのような装置を数多く取り付けるのは不可能に近いでしょう。
さらに追跡タグのついたメガマウスザメの近くが震源地になり、特別な行動を起こすかどうかを調査するというのも不可能に近いでしょう。
また、深海魚は地震の前兆なのか?ということについては、東海大海洋研究所と静岡県立大のグループによって発表された論文 “Is Japanese Folklore Concerning Deep-Sea Fish Appearance a Real Precursor of Earthquakes?” にて、地震と深海魚の出現には相関がほとんどないことから迷信であると考えられると結論づけられています。
深海魚出現336件と地震221件を比較たところ、もっともらしい相関を示したのは1件のみであり、深海魚の出現は防災には役立たないそうです。
それでもメガマウスザメと地震の関連性がどうしても気になる、不安になるという人は、メガマウスザメや珍しい深海魚の発見がニュースになった際に備蓄の見直しなどの防災対策をして、災害に対する気持ちを引き締めるタイミングにすることをおすすめします。
備蓄してある水の賞味期限の確認、新しい水に買い替える、トイレットペーパーを買う、防災用品をチェックするなど地震への備えはいろいろとあります。
メガマウスザメや珍しい深海魚に対して、ただ不安になるよりも、その不安を生産性のある行動に還元しましょう。