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海の環境問題

6月8日は世界海洋デー!プラスティックゴミの汚染から海やサメを助けるには

2021年6月8日

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世界海洋デーとは

毎年6月8日の世界海洋デー(英語:World Oceans Day / ワールド オーシャンズ デー)は、海の重要性を認識し、海に感謝し、海とそのすべての生き物を保護することを目的とした国際的な行動を促す日です。
2021年の世界海洋デーのテーマは「海:生命と生活(The Ocean: Life and Livelihoods)」でした。

国連が掲げた2026年の世界海洋デーのテーマは「Reimagine ― 私たちが知る世界を超えて、海との新しい関係を描く」です(United Nations 2026)。あわせて、World Ocean Dayのネットワークが掲げる行動テーマは「Strong Marine Protected Areas for Our Blue Planet(青い惑星のための強い海洋保護区)」となり、海洋保護区(MPA)の実効性が正面から掲げられました。2021年のテーマが「海と暮らしのつながり」を語るものだったのに対し、2026年は「どこを、どれだけ、どう守るのか」という制度の話に軸が移っています。

国連の持続可能な開発のための海洋科学の10年

2021年からは、国連の持続可能な開発のための海洋科学の10年も始まりました。
2017年に構想された海洋科学の10年は、2021年から2030年まで続きます。

追記(2026年):この10年は、すでに折り返しを過ぎています。2027年にはブラジル・リオデジャネイロで海洋科学の10年会議が開かれ、各国の科学者や政策担当者が進捗を持ち寄る予定です(United Nations 2026)。

国連海洋科学の10年に達成するべき7つの目標

国連海洋科学の10年には、これまで多くの先人が積み上げてきた海洋科学の成果をベースとする形で、達成するべき7つの目標が掲げられています。

国連海洋科学の10年に達成するべき7つの目標は次の通りです。

  1. きれいな海
  2. 健全で回復力のある海
  3. 予測できる海
  4. 生産的な海
  5. 安全な海
  6. 万人に開かれた海
  7. 夢のある魅力的な海

海洋が直面している多くの課題

海洋は人間の活動によって近年多くの課題に直面しています。
乱獲、汚染、海洋掘削、地球温暖化はすべて、真っ青な海に大混乱をもたらしています。

世界の海洋魚資源に対する乱獲という破壊的な漁業慣行は、捕獲された海洋生物にとって有害なだけではありません。
乱獲は海洋生態系全体に影響を及ぼし、海洋生物多様性に悪影響を及ぼす可能性があります。
魚の個体数が激減すると、自然の食物連鎖が崩壊し、サンゴ礁やウミガメなどの他の海洋生物が失われます。

しかし、海を破壊しているのは乱獲だけではありません。
世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみも大きな問題となっています。
環境省の調べによると、世界では毎年少なくとも800万トンものプラスチックごみが海に流出しているといいます。
これは、重さにして、ジャンボジェット機5万機相当に相当する重量です。

ゴミ、プラスチック、有毒廃棄物、未処理の下水による海洋汚染は、海洋生物を汚染し、水循環を混乱させ、海洋を二酸化炭素で飽和させ、地球温暖化を加速させています。

温暖化は、陸地だけでなく、海にも影響を及ぼしています。
海がより多くの熱を吸収するにつれて、海面と表面温度が上昇しています。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)のデータによると、海面水温は過去100年にわたって10年ごとに約0.13℃上昇しています(IUCN 2022)。
この気温の変化は海洋生物に影響を与えるだけでなく、強い熱帯性低気圧などの気候パターンの変化を引き起こします。

追記(2026年):0.13℃という数字は「過去100年の平均」です。NOAAの年次気候報告によれば、1982年以降の陸と海を合わせた昇温は10年あたり約0.20℃で、長期平均の3倍以上の速さになっています(NOAA 2025)。海はゆっくり温まっているのではなく、近年になるほど速く温まっています。

15億6千万枚のマスクが海洋へ流出

ショッキングなのが、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックの中で15億6千万枚のマスクが海洋へ流出して、海洋プラスチックごみ問題に拍車をかけているということです。
この数字は、香港を拠点とする海洋保護団体オーシャンズアジアが2020年12月に公表した報告書『Masks on the Beach: The Impact of COVID-19 on Marine Plastic Pollution』の推計です(OceansAsia 2020)。2020年に世界で生産されたマスク520億枚のうち3%が環境へ流出したと仮定し、重さにして4,680〜6,240トンのプラスチックごみが海に加わったと見積もっています。

15億6千万枚。香港を拠点とする海洋保護団体「オーシャンズアジア」は昨年末、こんな数字を発表した。新型コロナウイルスが世界中に広がった2020年の1年間に、適切に処理されず海に流れ出たマスクの推計枚数だという。
元になったのは、20年に世界で生産されたマスクが520億枚にのぼるという市場調査データと、廃棄されるプラスチックのうち約3%が海に流出しているという、国連などの推計だ。
マスク1枚あたり3~4グラムと仮定し、4680~6240トンの海洋ごみが増えたと訴えている。
適切に処理されないまま自然界に流出したマスクは野生生物の生存にも影を落とす。
ブラジルの海洋保護団体は昨年9月、サンパウロの浜に打ち上げられたペンギンの胃の中からマスクが見つかったと報告をまとめた。
英国王立動物虐待防止協会によると、イギリスでは昨年7月、マスクの耳ひもが足に絡まって動けなくなったカモメが救助されたという。

引用:漂着マスクが激増、海へ年15億枚? ペンギンの胃にも

わたしたちの日常には欠かせないものとなった不織布マスクやウレタンマスクの多くはポリプロピレンやポリウレタンといったプラスチックでできています。
海に流れ出たマスクは1年間に15億枚との環境団体の試算があり、野生生物の命を脅かす例も報告されています。
人工的に作られた化学繊維は、自然界で分解されにくいため、長い期間、海の中を漂うこととなり、分解されるまでには450年ほどかかるとオーシャンズアジアは指摘しています。

英国の海底に生息するサメからマイクロプラスチックを発見

イギリスのガーディアン紙によると、英国の海底に生息するサメからマイクロプラスチックを発見したとのことです。
元になったのは、エクセター大学の研究チームが2020年7月に『Scientific Reports』へ発表した論文です(Parton et al. 2020)。
2020年の7月、コーンウォール沖でペンザンスを拠点とするメルルーサ漁船によって混獲された46匹の英国沿岸の海底に生息するサメの胃と腸を科学者が調べたところ、サメの内臓から衣類に含まれるマイクロプラスチックと合成マイクロファイバーが初めて発見されました。
科学者たちが調査したのは、海底に生息するハナカケトラザメ(Scyliorhinus canicula)、スターリースムースハウンドシャーク(Mustelus asterias)、アブラツノザメ(Squalus acanthias)、ブルハス(Scyliorhinus stellaris)の4種のサメです。
調査したサメの67%に、繊維によく見られるマイクロプラスチックやその他の人工繊維が含まれていたのです。合計で379個の粒子が見つかりました。
特定された汚染物質の圧倒的多数(95%)が、釣り糸や網からのマイクロファイバー、またはビスコース(レーヨン素材の一種)、レーヨン、使い捨てマスクの製造に使用される合成セルロースでした。

わたし
わたし
英国のサメたちの体内にも廃棄された使い捨てマスクが・・・

マイクロプラスチックは、沿岸の浅い海域から水深11,000m のマリアナ海溝まで、海のいたるところに存在します。
多くの小さな甲殻類や甲殻類、骨の多い魚、ジンベエザメやマンタなどの巨大なろ過摂食動物でマイクロプラスチックの存在が確認されています。

摂取したプラスチックや繊維が物理的または化学的にサメに何らかの損傷を与えたかどうかはまだわかりませんが心配な話ですよね。

房総半島沖の深海底に大量のプラスティックゴミの集積地

千葉県の房総半島沖の水深6千メートル近い深海底で、大量の使い捨てプラスチックごみが海洋研究開発機構の調査で見つかった。1平方キロあたり平均4561個に上り、レジ袋や1984年製のハンバーグの袋があった。
海に流れ出たプラごみの集積地の一つと考えられている。[・・・・・・]過去に深海底のプラごみを調べた国内外の研究では、平均100個に満たないといい、海洋機構の中嶋亮太・副主任研究員は、「房総半島沖の黒潮が渦を巻く場所の深海底は、プラごみの集積地になっていることがわかった」としている。
海洋機構がコンピューターで計算したところ、海洋プラごみは1週間くらいで沈んでいくと推定される。いったん深海底に沈むと、紫外線や波などプラスチックを微細にする劣化が起きにくく、蓄積されていくと考えられるという。

引用:房総半島沖に大量プラごみ 深海底に集積地、潜水艇調査

1984年製のハンバーグの袋がいまだに深海に蓄積しているというのはおどろくばかりです。
深海底に沈むと、紫外線や波などプラスチックを微細にする劣化が起きにくく、蓄積されていくのなら世界中のに多様な条件を備えた深海底で同じような事態が起きているのかもしれません。
日本の太平洋側で黒潮が渦を巻く場所は、ほかにも四国沖があり、海洋機構は2021年の夏に四国沖の深海底でも調べる予定とのことでした。

海やサメを助ける方法

プラスチックの使用を減らして、プラスチック汚染を減らす

毎年少なくとも800万トンのプラスチックゴミが海に流れ込んでいます。
海洋生物はプラスチック廃棄物を摂取したり、巻き込まれたりします。
プラスチックの破片は、毎年10万匹以上の海洋哺乳類と100万羽の海鳥を殺している、と国連教育科学文化機関は報告しています。

日本ではプラスチックゴミの70%を企業が、残りの30%が家庭から出ているといいます。
海に流れ込むプラスチックの量を減らすのに役立つ簡単な方法はプラスチックをなくすことです。

たとえば、使い捨てのプラスチックをできるだけ減らし、代わりに再利用可能なプラスチックまたはプラスチックを含まない製品を選びます。
また、プラスティックを処分する際にしっかりと分別することも大切です。

このときに重要なのは、汚れたプラスティックを資源ごみとして出さないことです。
汚れたプラスティックはリサイクルすることができず、ゴミ集積所で燃えるゴミに分類されているのをご存知ですか?
せっかく地球のため、海を助けるためを分別したのにそんな事態に陥ってしまうのは残念ですよね。

汚れたプラスティックはきれいに洗浄することで資源ごみとして出すことは可能ですが、ここで考えたいのが、台所洗剤を含んだ汚水などによる海洋汚染です。
これはわたしの考えですが、プラスティックゴミを減らすために汚水を増やすというのはナンセンスではないでしょうか。

また、日本のプラスティックゴミのリサイクル率は86%というずば抜けた数値ですが、実はそのうちの58%はサーマルリサイクルです(2021年当時に参照した数値)。
サーマリサイクルとは、焼却して熱エネルギーとして再利用するということです。
つまり、資源ごみとして分別したプラスティックを燃やしているということなんですね。
さらに、単純焼却されているプラスティックゴミが8%あります。こちらはそもそも「有効利用」に数えられていません。サーマルリサイクルと合わせると、66%のプラスティックゴミが燃やされているということになります。

つまり、洗剤で洗う必要があるくらいに汚れたプラスティックは素直に燃えるゴミで出した方が地球に優しいということになります。

2021年と2026年で、日本のリサイクルはどう変わったか

追記(2026年):数字はその後も動いています。プラスチック循環利用協会の集計では、廃プラスチックの有効利用率は2022年が87%、2023年が89%でした(プラスチック循環利用協会 2024a, 2024b)。数字だけ見れば上がっています。
ただし、2023年の内訳はマテリアルリサイクル22%、ケミカルリサイクル3%、サーマルリサイクル(エネルギー回収)64%です。有効利用率が86%から89%へ上がった中身は、燃やして熱を回収する分が増えたということです。
サーマルリサイクルを国際的な基準の「リサイクル」に数えない立場をとれば、日本のリサイクル率は25%前後にとどまります。2021年にわたしが書いた「分別したプラスティックを燃やしている」という状況は、2026年になっても変わっていません。

海に対する意識を高める

海の問題に対する意識を高め、記事、事実、ドキュメンタリーなどに触れてみましょう。
また、それを友人や家族と共有したり、話し合ってみたりするのもよいでしょう。
水族館に足を運び、海にはこんなに多様な生き物が存在しているのだという共生の意識を持つことも有効です。
地球は人間だけのものではなく、多様な生き物が有機的につながって成り立っているのです。

おわりに

地球の表面の70%以上が海の水で覆われています。
また、海洋は地球の酸素の少なくとも50%を生成し、信じられないほどの数の海洋生物の多様性を支えています。
その広大な深海には無数の種が生息しており、Mora et al.(2011)は、海にすむ生物のうち約91%が、まだ学名のついていない未記載種だと推定しています。
そんな命の森でもある海ですが、このままだと、2050年には海にいる魚よりもプラスチックが重さで上回るといわれています。これは世界経済フォーラムとエレン・マッカーサー財団が2016年に公表した報告書『The New Plastics Economy』の推計です(World Economic Forum 2016)。
この「2050年に魚よりプラスチック」という推計については、元になった魚類のバイオマス推定値やプラスチック流入量の外挿方法をめぐって、研究者から異論も出ています。確定した将来予測ではなく、2016年時点の仮定にもとづく試算として読むのが正確です。ただし、海へ流れ込むプラスチックが増え続けているという方向そのものは、その後の研究でも変わっていません。

小さなことでもかまいません。
いつもよりも海のことを意識してみませんか。
大きなことはできなくてもいいんです。

簡単なことから始めてみませんか。
一人ひとりの小さな力でもそれが世界中に広がることで、やがて大きな力となり、海を助けることへとつながっていくのです。

参考文献一覧

  1. Parton, K.J., Godley, B.J., Santillo, D., Tausif, M., Omeyer, L.C.M. & Galloway, T.S. (2020) Investigating the presence of microplastics in demersal sharks of the North-East Atlantic. Scientific Reports, 10, 12204. https://doi.org/10.1038/s41598-020-68680-1
  2. Mora, C., Tittensor, D.P., Adl, S., Simpson, A.G.B. & Worm, B. (2011) How many species are there on Earth and in the ocean? PLoS Biology, 9(8), e1001127. https://doi.org/10.1371/journal.pbio.1001127
  3. OceansAsia (2020) Masks on the Beach: The Impact of COVID-19 on Marine Plastic Pollution. https://oceansasia.org/covid-19-facemasks/ (accessed 2026-07-13).
  4. The Guardian (2020) Most UK sharks have consumed plastics, study finds. https://www.theguardian.com/environment/2020/jul/22/most-uk-sharks-have-consumed-plastics-study-finds (accessed 2026-07-13).
  5. 朝日新聞デジタル (2021) 漂着マスクが激増、海へ年15億枚? ペンギンの胃にも. https://digital.asahi.com/articles/ASP6672DWP5NPLBJ008.html (accessed 2026-07-13).
  6. 朝日新聞デジタル (2021) 房総半島沖に大量プラごみ 深海底に集積地、潜水艇調査. https://digital.asahi.com/articles/ASP3Y6589P3YPLBJ00D.html (accessed 2026-07-13).
  7. プラスチック循環利用協会 (2024a) 2022年廃プラスチック総排出量は823万t、有効利用率は87%. https://www.pwmi.or.jp/column/column-2358/ (accessed 2026-07-13).
  8. プラスチック循環利用協会 (2024b) 2023年廃プラスチック総排出量は769万t、有効利用率は89%. https://www.pwmi.or.jp/column/column-2566/ (accessed 2026-07-13).
  9. IUCN (2022) Ocean warming (Issues Brief). https://iucn.org/resources/issues-brief/ocean-warming (accessed 2026-07-13).
  10. NOAA Climate.gov (2025) Climate Change: Global Temperature. https://www.climate.gov/news-features/understanding-climate/climate-change-global-temperature (accessed 2026-07-13).
  11. World Economic Forum (2016) More Plastic than Fish in the Ocean by 2050: Report Offers Blueprint for Change. https://www.weforum.org/press/2016/01/more-plastic-than-fish-in-the-ocean-by-2050-report-offers-blueprint-for-change/ (accessed 2026-07-13).
  12. United Nations (2026) World Oceans Day. https://www.un.org/en/observances/oceans-day (accessed 2026-07-13).

かわいいサメと暮らしたい人におすすめ

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シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 海やサメ以外で好きなのは、橋本涼さん(B&ZAI)。海属性の人が好き。

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