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サメを学ぶ

アカシュモクザメとシロシュモクザメの違いは?シュモクザメ10種の特徴も紹介!

2024年3月26日

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「シュモクザメの仲間は全部同じに見えてしまう」という方のために今回のブログでは、アカシュモクザメとシロシュモクザメの違いだけではなく、シュモクザメ10種の特徴も紹介します!これであなたもシュモクザメの見分けがつくようになるはず!

※この記事は2023年10月に公開し、2026年7月に情報を更新しました。2024年に記載された新種を追加し、ワシントン条約(CITES)の掲載状況を現在のものへ直しています。公開当時の記述は、追記の形で残しています。

アカシュモクザメとシロシュモクザメとの違いはどこ?見分け方は?

一見同じようにしか見えないシュモクザメ。
実は前頭部(ハンマー)の部分をよく見ると少し違いがあるんです。

アカシュモクザメとシロシュモクザメの違いは?シュモクザメ10種の特徴も紹介!

シュモクザメの見分け方

Aのシロシュモクザメの頭の図:Ebert, D.A. & Stehmann, M.F.W. (2013). Sharks, batoids and chimaeras of the North Atlantic. FAO Species Catalogue for Fishery Purposes. No. 7. Rome, FAO. 289 pp.

(A)シロシュモクザメはハンマーの部分の中央にくぼみがありません
(B)アカシュモクザメ(Scalloped hammerhead)はハンマーの部分にホタテガイの縁のように波を打った少しカーブ(scalloped)があり中央にくぼみがあります
(C)ヒラシュモクザメはハンマーの部分がほぼ直線になっています。
(D)ウチワシュモクザメはハンマーの部分がスコップのように大きくカーブしているのでわかりやすいのではないでしょうか。

にゃぶり
にゃぶり
これでシュモクザメのサメ友の見分けが付くにゃね!

わたし
わたし
サメ友・・・?笑

シュモクザメの仲間にはどんなサメがいるの?

シュモクザメの仲間は2属10種です。

(2026年7月追記)※この記事を公開した2023年10月の時点では2属9種でした。2024年9月、これまでウチワシュモクザメ(Sphyrna tiburo)とされてきた個体群のなかから、Sphyrna alleni が新種として記載され、10種になりました(Gonzalez et al. 2024)。

にゃぶり
にゃぶり
意外と多いにゃね!

ここではざっくりとシュモクザメの仲間について紹介します!

アカシュモクザメ学名:Sphyrna lewini、英語名:Scalloped Hammerhead Shark

アカシュモクザメ 学名:Sphyrna lewini、英語名:Scalloped Hammerhead Shark

標準和名
アカシュモクザメ
英語名
Scalloped Hammerhead
英語名の読み方
スカラップド・ハンマーヘッド・シャーク
学名
Sphyrna lewini
学名の読み方
スフィルナ・レウィニ
保全状況(IUCN)
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)
ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ
最大全長
4.3m

アカシュモクザメ(Sphyrna lewini)は、最大全長3.7〜4.3mの大型のシュモクザメです。
12月〜5月ごろまで日本最西端の島の与那国島で群れを見ることができることでも有名です。1~3月は200匹以上の群れに会えることもあるとか。また、神子元島でも遭遇率が上がっているとか。
ハンマーヘッドの部分にホタテガイの縁のように波を打った少しカーブがあり中央にくぼみがあります。
アカシュモクザメの解説は『アカシュモクザメの特徴、分布域、生息域、保全状況などを解説』をどうぞ!

シロシュモクザメ学名:Sphyrna zygaena、英語名:Smooth Hammerhead Shark

 

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標準和名
シロシュモクザメ
英語名
Smooth Hammerhead
英語名の読み方
スムース・ハンマーヘッド・シャーク
学名
Sphyrna zygaena
学名の読み方
スフィルナ・ジガエナ
保全状況(IUCN)
絶滅危惧種:危急(VU / Vulnerable)
ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ
最大全長
4m

シロシュモクザメ(Sphyrna zygaena)は、最大全長4mの大型のシュモクザメです。
そのサイズはヒラシュモクザメに次ぐ大きさです。
沿岸および外洋に広く分布しています。
ハンマーヘッドの真ん中に切れ込みがないのが特徴です。

ヒラシュモクザメ学名:Sphyrna mokarran、英語名:Great Hammerhead Shark

ヒラシュモクザメ 学名:Sphyrna mokarran、英語名:Great Hammerhead Shark

標準和名
ヒラシュモクザメ
英語名
Great Hammerhead
英語名の読み方
グレート・ハンマーヘッド・シャーク
学名
Sphyrna mokarran
学名の読み方
スフィルナ・モカラン
保全状況(IUCN)
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)
ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ
最大全長
6m

ヒラシュモクザメ(Sphyrna mokarran)は、最大全長5.5〜6mの大型のシュモクザメです。
海外のダイバーの方の写真の多くはヒラシュモクザメです。
ハンマーの部分がほぼ直線になっているのが特徴です。

ウチワシュモクザメ学名:Sphyrna tiburo、英語名:Bonnethead Shark

ウチワシュモクザメ 学名:Sphyrna tiburo、英語名:Bonnethead Shark

標準和名
ウチワシュモクザメ
英語名
Bonnethead Shark
英語名の読み方
ボンネットヘッド・シャーク
学名
Sphyrna tiburo
学名の読み方
スフィルナ・ティブロ
保全状況(IUCN)
絶滅危惧種:危機(EN / Endangered)
ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ(2022年採択、2023年2月23日発効)
最大全長
1.5m

ウチワシュモクザメ(Sphyrna tiburo)は、最大全長1.5mの小型のシュモクザメです。
西部大西洋と東部太平洋の浅い沿岸水域に分布しています。
ハンマーヘッドの部分がスコップのように大きくカーブしているのが特徴です。
ウチワシュモクザメはシュモクザメの中で最も個体数増加率が高く、他のサメ種よりも漁獲死亡率の影響を受けにくいようです(Pollom et al. 2021)。
ただし、増えやすい種であることと、減っていないことは別の話です。Pollom et al.(2021)は、ウチワシュモクザメの世界全体の個体数が3世代(36年)で50〜79%減ったと推定し、危機(EN)と評価しました。CITES第19回締約国会議の提案書(CoP19 Prop. 38)も、この評価を掲載理由のひとつに挙げています。
また、2024年に西大西洋の個体群の一部が新種 Sphyrna alleni として分けられたため、ウチワシュモクザメの分布域は今後見直される可能性があります(Gonzalez et al. 2024)。上の分布の記述は、2023年10月時点のものです。

Sphyrna alleni(シャベルビル・シャーク)学名:Sphyrna alleni、英語名:Shovelbill Shark、2024年

標準和名
なし(2026年7月時点で確認できず)
英語名
Shovelbill Shark
英語名の読み方
シャベルビル・シャーク
学名
Sphyrna alleni
学名の読み方
スフィルナ・アレニ
保全状況(IUCN)
未評価(NE / Not Evaluated)※2026年7月時点
ワシントン条約(CITES)
附属書Ⅱ
最大全長
成熟時で150cm未満の小型種

2024年9月、動物分類学の学術誌『Zootaxa』に、シュモクザメ科の新種 Sphyrna alleni が発表されました。フロリダ国際大学のCindy Gonzalezさんら5名の研究チームによる記載です(Gonzalez et al. 2024)。

この種は、これまでウチワシュモクザメ(Sphyrna tiburo)と同じ種とされてきました。研究チームは、ベリーズで採集された12個体と、アメリカ・フロリダで採集された11個体を比べています。61項目の計測では体の形に差が出ませんでしたが、尾の手前にある椎骨の数がはっきり分かれました。新種は80〜83個、ウチワシュモクザメは71〜74個で、重なりがありません。ミトコンドリアDNAと12か所のマイクロサテライトマーカーでも、二つのグループは明確に分かれました。

見た目では、頭部(ハンマー)の前の縁がウチワシュモクザメより尖っていて、後ろの縁が丸みを帯びるため、全体としてシャベルのような形になります。

分布はベリーズからブラジルまでの西大西洋です。ベリーズ、パナマ、コロンビア、トリニダード・トバゴ、ブラジルで生息が確認されており、沿岸域、河口、サンゴ礁、海草藻場、砂底で見られます。

英語名の「Shovelbill」は、ベリーズの漁業者がこのサメを呼ぶときに使っていた言葉から採られました。種小名の alleni は、マイクロソフトの共同創業者で、サメの研究と保全を支援したポール・G・アレンさん(1953〜2018)への献名です。
Gonzalez et al.(2024)は、この分割によってウチワシュモクザメのIUCN評価は改善する可能性がある一方、Sphyrna alleni は高い絶滅危惧カテゴリーに該当する可能性が高いと述べています。刺網とトロール網がこの種の漁獲の大部分を占めるため、これらの漁具の規制が必要だという指摘です。ただし、2026年7月時点でIUCNによる評価はまだ公表されていません。

スクープヘッド・シャーク学名:Sphyrna media、英語名:Scoophead Shark、1940年

 

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スクープヘッド・シャークの画像

スクープヘッド・シャーク(Sphyrna media)は最大全長150cmのシュモクザメです。
メキシコ・カリフォルニア湾からペルー北部までの東部中央・南東太平洋と、パナマからブラジル南部までの西部中央・南西大西洋に分布、沿岸から水深100mまでの大陸棚上の海域に生息しています。
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)です。

(2026年7月追記)ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱ。2022年の第19回締約国会議で採択され、2023年2月23日に発効しました。

スモールアイ・シャーク学名:Sphyrna tudes、英語名:Smalleye Hammerhead、1822年

スモールアイ・シャークの画像

スモールアイ・シャーク(Sphyrna tudes)は全長150cmくらいのシュモクザメです。
コロンビアからアルゼンチンのリオ・デ・ラ・プラタまでの西部中央および南西大西洋に分布、水深5~80mの大陸棚の沿岸水域に生息しています。
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)です。

(2026年7月追記)ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱ。2022年の第19回締約国会議で採択され、2023年2月23日に発効しました。

カロライナ・ハンマーヘッド学名:Sphyrna gilberti、英語名:Carolina Hammerhead、2013年

カロライナ・ハンマーヘッドの画像

カロライナハンマーヘッド(Sphyrna gilberti)は北西大西洋アメリカのサウスカロライナやフロリダの沿岸水域に生息する珍しいサメです(Quattro et al. 2013)全長69cmまでの小型のサメ。見た目はアカシュモクザメ(Sphyrna lewini)にそっくりですが遺伝子レベルでは別のサメ。全分布範囲と深度範囲は不明。情報不足種(DD / Data Deficient)
カロライナ・ハンマーヘッドとアカシュモクザメの違いは脊椎骨の数なので体の中を見ないとわからないということです・・・!視覚的に区別できないため、カロライナ・ハンマーヘッドがアカシュモクザメと誤認されている可能性があるようです(VanderWright et al. 2020)。

(2026年7月追記)ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱ。2022年の第19回締約国会議で採択され、2023年2月23日に発効しました。

スカラップド・ボンネットヘッド学名:Sphyrna corona、英語名:Scalloped Bonnethead、1940年

スカラップド・ボンネットヘッドの画像

ハンマーヘッドの中でも最小種の部類に入りそう。最大体長は、92cm。大陸棚、おそらく沿岸に分布。
絶滅危惧種:深刻な危機(CR / Critically Endangered)です。

(2026年7月追記)ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱ。2022年の第19回締約国会議で採択され、2023年2月23日に発効しました。

インドシュモクザメ学名:Eusphyra blochii、英語名:Winghead Shark、1816年

生きているインドシュモクザメの画像

インドシュモクザメは、シュモクザメの中でも頭のハンマーの幅が広く、全長の40~50%に相当。最大体長は2mほど。
絶滅危惧種:危機(EN / Endangered)です。

(2026年7月追記)ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱ。2022年の第19回締約国会議で採択され、2023年2月23日に発効しました。

シュモクザメ科とワシントン条約(CITES)

シュモクザメの仲間は、いま何種が国際取引の規制対象になっているのでしょうか。答えは、全種です。

ワシントン条約(CITES)は、野生動植物の国際取引によって種が絶滅しないよう、輸出入を規制する条約です。規制が必要な種は附属書に掲載されます。

シュモクザメ科の掲載は、二段階で進みました。

  1. 2013年の第16回締約国会議(CoP16)で、アカシュモクザメ、ヒラシュモクザメ、シロシュモクザメの3種が附属書Ⅱへ。18か月の準備期間を経て、2014年9月14日に発効しました。
  2. 2022年11月の第19回締約国会議(CoP19)で、残るシュモクザメ科の全種が附属書Ⅱへ。2023年2月23日に発効しました。

2回目の提案(CoP19 Prop. 38)を出したのは、EU、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パナマです。提案書は、二つのことを理由に挙げています。

ひとつは、ウチワシュモクザメ(Sphyrna tiburo)自体が減っていることです。IUCNレッドリストは、この種の世界全体の個体数が3世代(36年)で50〜79%減ったと推定し、危機(EN)と評価しました(Pollom et al. 2021)。

もうひとつは、ヒレになると種を見分けられないことです。シュモクザメのヒレは、他のサメのヒレとは形で区別できます。ところが、シュモクザメ同士を見分けるのは専門家でも難しいとされています。提案書は、小型のシュモクザメのヒレが国際的な取引の場で見つかっている以上、すでに掲載されている大型3種のヒレがそこに紛れ込む余地があると指摘しました。

そのため、この提案は「今後記載される種も含む」という書き方をしています。2024年に記載された Sphyrna alleni が最初から附属書Ⅱの対象になっているのは、このためです。

にゃぶり
にゃぶり
小さいサメだから見逃されてたんだにゃね

わたし
わたし
ヒレだけになると、専門家でもわからなくなるみたい

参考文献一覧

※保全状況とワシントン条約の掲載状況は2026年7月27日に確認しました。

  1. Gonzalez, C., Postaire, B., Driggers, W., Caballero, S. & Chapman, D. (2024) Sphyrna alleni sp. nov., a new hammerhead shark (Carcharhiniformes, Sphyrnidae) from the Caribbean and the Southwest Atlantic. Zootaxa, 5512(4), 491-511. https://doi.org/10.11646/zootaxa.5512.4.2
  2. Quattro, J.M., Driggers, W.B. III, Grady, J.M., Ulrich, G.F. & Roberts, M.A. (2013) Sphyrna gilberti sp. nov., a new hammerhead shark (Carcharhiniformes, Sphyrnidae) from the western Atlantic Ocean. Zootaxa, 3702(2), 159-178. https://doi.org/10.11646/zootaxa.3702.2.5
  3. Pollom, R., Carlson, J., Charvet, P., Avalos, C., Bizzarro, J., Blanco-Parra, M.P., Briones Bell-lloch, A., Burgos-Vázquez, M.I., Cardeñosa, D., Cevallos, A., Derrick, D., Espinoza, E., Espinoza, M., Mejía-Falla, P.A., Morales-Saldaña, J.M., Navia, A.F., Pacoureau, N., Pérez Jiménez, J.C. & Sosa-Nishizaki, O. (2021) Sphyrna tiburo. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T39387A205765567.(2020年評価の修正版)https://www.iucnredlist.org/species/39387/205765567 (accessed 2026-07-27).
  4. VanderWright, W.J., Carlson, J.K., Pollom, R. & Dulvy, N.K. (2020) Sphyrna gilberti. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T152783714A172115852. https://www.iucnredlist.org/species/152783714/172115852 (accessed 2026-07-27).
  5. CITES (2022) CoP19 Prop. 38. Inclusion of Sphyrnidae spp. in Appendix II. Nineteenth meeting of the Conference of the Parties, Panama City. https://cites.org/sites/default/files/documents/E-CoP19-Prop-38.pdf (accessed 2026-07-27).
  6. CITES History of CITES listing of sharks (Elasmobranchii). https://cites.org/eng/prog/shark/history.php (accessed 2026-07-27).
  7. Ebert, D.A. & Stehmann, M.F.W. (2013) Sharks, batoids and chimaeras of the North Atlantic. FAO Species Catalogue for Fishery Purposes, No. 7. Rome, FAO.

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シャーク・アクティビストReinoとにゃぶり

シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 海やサメ以外で好きなのは、橋本涼さん(B&ZAI)。海属性の人が好き。

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