サメの保全(保護)

サメと生きる社会のために

このカテゴリーでは、サメの絶滅危惧、漁業と混獲、フカヒレシャークフィニング、国際条約、海洋環境、人とサメの共生について扱います。

サメは、目に入るものを何でも食べ尽くす「危険な人食いザメ」として語られがちです。しかし現実には、サメの方が人間の活動によって数多く命を奪われています。
食用やヒレを目的とした漁獲、混獲、IUU漁業などに加え、海洋汚染や生息環境の変化もサメを脅かしています。2024年に発表された研究では、漁業によるサメの死亡数は2019年に少なくとも約8000万匹に達し、そのうち約2500万匹は絶滅危惧種だったと推定されています。
とくにヒレの需要は、過剰な漁獲やIUU漁業だけでなく、ヒレを切り取ったサメを海へ捨てるシャークフィニングにも結びついてきました。IUCNの包括的な再評価では、世界のサメ・エイ類の37%が絶滅危惧種と評価されています。

サメペディアでは、サメの保全だけでなく、サメと人間がどのように関わってきたのかについても紹介しています。

わたし自身は、サメを食べたり、サメの顎の標本を飾ったり、サメ革などの製品を利用したりすることはありませんが、記事の中ではサメの利用や食文化について取り上げることもあります。
サメだけでなく、漁業に携わる人々の生活や、サメをめぐる文化の継承まで含めて考えることも、保全の一部だと考えているからです。また、混獲によってすでに命を落としたサメについては、せめてその命を最大限に活かすことが、サメに報いる一つの方法だと思っています。

ただ一方的に「絶滅危惧種のサメを守ろう」と訴えるのではなく、サメと人間の関わりを見つめながら、共に生きていける社会について考えていきます。
サメを守るのか、利用するのか。保全の議論は二項対立になりがちです。サメペディアでは、その二つだけではない道を探っていきます。